筧利夫

「役者っていうのは馬鹿だから、まずセリフの多い少ないで単純に判断しちゃう所があって・・・本当はそうじゃないっていうのはわかってるんだけど、なーんかやらんでもいい頭コンとかやってんの見て、バッカじゃねえのオレっていう・・・そういう感じですね。」
(VIDEO 第三舞台'81〜'91 インタビューより)



1962年8月10日生まれ
1985年 若手公演「春にして君と別れ」より主に第三舞台の公演に参加。
罪と罰」で野田秀樹、「飛龍伝」その他でつかこうへいと組む。
2004年帝国劇場「ミス・サイゴン」でミュージカル初挑戦。
TV「踊る大捜査線」及び映画での新城賢太郎役以来TV界でもその名を広めている。

とにかく目。目。目が凄い。本当に「目で殺す」ことができる役者。私は88年の「天使」で初めてこの人にあったとき、ダンスの時バッと顔をあげたときの目に撃ち抜かれました。その晩筧さんの夢を見たぐらい。

第三舞台では、ものすごく笑いを持っていくポジションで、とにかく間もテンポも絶妙だし、「ビー・ヒア・ナウ」の時にはもう「でてくるだけで可笑しい」という境地に達していたような気がします。「宇宙」でコンビを組んだ小須田さんが、「あの人は自分がいつも笑っていたくてしょうがない人なんですよ」と言っていたのが非常に印象的でした。

かと思えば下手な人が言えば単調にならざるをえないセリフを、ある種の熱を持って言い切ることのできる、本物の「舞台役者」。私が見てきた筧さんはいつも非常にストイックに、役者というものの有り様を追いかけている人です。そうそう、この人のダンスはほんとに絶品。体のキレ、目線、安定感、あーーーー書いてたら本当にまた見たくなってきてしまった・・・・。

踊る大捜査線」での新城管理官役以来、筧さんをテレビで見る機会が増えました。でも、私はテレビの中の筧さんをちゃんと追いかけることができていません。ごめんね。でもしょうがないよね。誰だってその人自身にとっての「筧利夫」を持っていると思うから。

私のもっとも愛する役者です。これからもたくさんの素敵な舞台を見れることを祈りつつ。

マイベストアクト  「宇宙で眠るための方法について・序章」ケダモノ王