「ラヂオの時間」 東京サンシャインボーイズ

東京で大人気と噂だけは聞いていたサンシャインボーイズ初体験。舞台はラジオドラマの収録現場でそこから一歩も動かない。これ見て何に驚いたって登場人物のあまりの人間くささですねぇ。キャラメルと好対照で出てくる奴出てくる奴みーんな一癖も二癖もある人ばっかり。でみんなワガママ。なのに不思議と愛着が湧いてきてしまって、許せちゃうんだよね。役者ひとりひとりの小さなワガママから全然もとの台本からかけ離れていくスト−リー。口約束だけのプロデューサー。何とか自分の作品に戻したい作者。すごい無理に無理を重ねて、でもみんなの思惑をちゃんと盛り込んで大団円、かと思いきやプロデューサーが一言、「録り直そう。」そしてタイムキーパーの女の子に向かって「いいよね。」「いいと思う。」うーーーん。上手すぎるぞ三谷幸喜!時間を気にして口約束しかしないプロデューサー役を西村雅彦さんがやっていて、ほんとーーにイヤな奴なのに最後はカッコイイという役者冥利に尽きる役をもらっていました。ラスト、スペースシャトルまで持ち出して辻褄を合わせようとするあの盛り上がりとそれを一気に締めるラスト。こんな作家居たんだねぇ。

映画化されたものは殆ど中身的には同じなんですが、決定的に違うのは「録り直そう。」の一言があるかどうかですね。これのあるなしっていうのは結構でかいと私は思うんですけど。「いいよね。」「いいと思う。」のやりとりは劇中に何度となく出てきて、この最後の「いいと思う。」だけ初めてタイムキーパーの子が嬉しそうにいうんですよね。ほんっと、うまいよなぁ。