「東京原子核クラブ」

最近話題のマキノノゾミさん脚本の公演。初演でなんか賞もらったらしいです。キャストがこれも豪華で、キムラ緑子さんとか三上さんとか、芸達者系の役者を集めていてどうだ!といわんばかり。

戦前・戦中のかつての東大理研にいた科学者たちの群像劇で、科学者としての嫉妬や羨望や、進歩の行く先にあるのが明るい未来だけではないと気付かされた苦悩をうまく書いていました。中でも、戦死してしまったかつての下宿仲間が書いたハガキを読んだあと、三上さんが音の狂ったピアノで弾くショパンの「別れの歌」はキましたねー・・・・。切なかった。

キャラクター的にかなり笑い担当だったキムラさんが、最後には人間のたくましさを代表する姿として映ってきて、それもうまいなぁ、と思いましたね。

マキノさんの作の中でもかなり好きな一本。三上さんのべらんめえピアニストも良かったなあ。