「MIRAGE」  キャラメルボックス

客演にまさに飛ぶ鳥落とすイキオイな粟根まこと氏を迎えた新作。ストーリーは愛する妻を亡くした教師と彼を取り巻く人々が織りなす人間模様というか生きることの意味というか。強引にまとめてしまえばそういう感じです(笑)。キャラメルの現代劇にしては多分、かなり珍しい部類に入るんじゃないかと思うんですけど、ものすごく現実に即したお話だったです。本当にあってもおかしくない話というか。なのでファンタジーとしてのキャラメルを好き!という人にはちょっと?な作品かもなぁとも思いました。

私としての感想がどうかというと、ちょっと話が飛びますが以前成井さんが、僕はストーリーが強引すぎるとか台詞に無理があるとか言われることがあるけれども、僕がお客さんに見せたいと思うのは辻褄のあったストーリーよりも、その台詞を言う役者とその役がオーバーラップする瞬間、その役が言う言葉を役者が本当に自分のものにして語るときのきらめきなんだというような趣旨(かなりうろ覚えなので言葉は全然違うかも)のことを仰っていて、はぁぁ、なるほどなぁと思ったんですけど、何がなるほどなぁなのかというと私にとってそれが感じられたかどうかでキャラメル作品の感想が180度違うんだなぁということで。私の過去のノートとか見ると如実なんですけど、キャラメルについては中庸な感想がほとんどなくて、中にはおいおいそれは言い過ぎだろってなものまである。それは結局、細かいことはあるけれどいいものはいい!泣かされた!という作品と細かいことが気になったまま最後まですっきりしなかったよーおいー、というものの差なんだと思うんですよね。

で話は戻りますが今回のMIRAGEでは坂口さんがそのきらめきというヤツを見せてくれたので、私としては良かったです。あれはなかなか胸に迫る物があった。あと、粟根さん扮する先生の「君に会えないと寂しいよ」はキましたね。泣けた。あの一言は。

さらに粟根さんでミーハーをいうなら終始ビシッと三つ揃いのスーツで決めて下さっていたんですけど、ジャケットを脱いでベスト姿になって下さるところとかもう煩悩大爆発(←大馬鹿)でした。ワイシャツに三つ揃いのベストって大好きなんですよ。ええもう本当。つーかベストフェチなんでねあたしは。そんでまた腰が細いのなんのって!!ああもう惚れる〜〜!!!

余談ですけど今回の公演はインターネットでほぼ全公演生中継しているんですよね。世界初の試みだそうです。ちらっと見てみましたけどあたしの感想は「見に行けるなら劇場に見に行った方がいい」です(笑)。当たり前ってか。