「マクベス」

最前列のど真ん中で観劇。しょうがないことなのだがやはり舞台にちょっと近すぎて、舞台全体を見るのが出来なかったのが少し残念。客席後方から登場するシーンが結構多いんだけど、舞台全体に幕のように使われている鏡にそれが映って、松明を持っているシーンなんかはぐるっと四方を松明に囲まれているような錯覚もあってなかなか良い雰囲気だったなぁ。ただ、鏡を閉めてその前で芝居をして、開けて、また閉めて・・・という動きがちょっと多すぎたような気もする。あと鏡前で芝居をするとき、どうしても役者の動きが(舞台が狭いので)単調になってしまうのがどうかなあ、とか思ったりもした。横の動きが多すぎたような。

しかしどうしてみんなこんなにマクベスが好きなんだろう(笑)。何か私の気付かない魅力でもあるのでしょうか。ハムレットといいマクベスといい鬱陶しいことこの上ない話だと私はどうにも思えるんですが。蜷川さんのマクベスはそれでもかなり展開も早かったし、飽きずに見ることが出来たんだけど、しかしマクベスがこんなに面白いなんて!という所までには至らなかったのだよなぁ、残念ながら。

役者さんは大竹さんも唐沢さんもそれぞれに持ち味&魅力発揮していて良かったです。大竹さんの狂人の演技、今年はこれでもう3度目だがやはり当たり前のように上手くてすごい。唐沢さんのマクベスは私が見た中でもかなり好きなマクベスだったかな。シャンデリアのシーンとかすごく良かったし。

最後に、勝村さん降板のショックを振り切って見に行ったつもりでしたが、下手に良い席すぎたので「ああ、これでマクダフが勝村さんだったら」という呪縛から最後まで逃れられなかったことをここに白状いたします。