「京都11区」

華があるとかそういうわけでもないのにMONOの役者さんが大好きだし、派手でもなんでもないけど土田さんの脚本や演出が好きだ。なんなんだろうなあこれは。

「京都を京都らしく」の政策からこぼれた地方出身者の居る町、その政策に反対し、建物からの立ち退き要求をはねつける夫婦。相変わらず、すわりのいい解決や結末を提示する事のない土田作品ですが、私が今まで見た作品の中でも常に描かれていた、物事の大きな流れや集団からこぼれてしまったひとたち、その人たちの、大きな流れに抵抗する、だけど決して力強くなんかない握り拳のようなものを、土田さんは常に見続けているような気がするんですよねえ。今回のお話は、なかでもすごく切なかったです。中野さんと庄内さんのやりとりとか、最後の真中さんと高幡さんのセリフは、なんだか泣けてしょうがなかった。

かといって全くのシリアスな訳でもなく、微妙なすれ違いで会話の中で笑いを生んでいくテクニックはほんとさすが。相変わらず金替さんのキャラクターはいいなああ!毎度のことながらどの役者さんも完璧に世界にはまっていて、そこもまた劇団らしくてとても好き。さらには上演時間が一時間半ちょっとで、そら見ろ!と誰にともなく勝ち誇りたい気持ちに。1時間半でもいいものはいいし3時間でもダメなやつはダメさ。ケッ!←なんかあったのか?(笑)