「第21回 四国こんぴら歌舞伎大芝居 昼の部」

  • 金丸座 後舟

「彦山権現誓剱」
思っていたよりも楽しい演目で、個人的には好きな感じ。「助太刀」だからもっと鬱々としたのを想像しておりました。番付に六助の役は武蔵がモデル、って書いてあったんだけど、それを意識しない方が面白いかなという気もしました。染五郎さんの六助、やっぱり線の太い役というよりはめっぽう腕の立つ男前、という感じだしね。お園の芝雀さんともども客の空気を掴むのがうまくて、おかげで笑いも多くて良かったです。微塵弾正に騙されたとわかるところが、今までの和やかな空気を一気に変える迫力に満ちていて見入っちゃいました。声もよく届いていて、満足満足。

「身替座禅」
以前仁左さまと左團次さんのお二人で見たことがあって、その時も面白さと仁左さまの可愛さにときめきっぱなしだったのだが、吉右衛門さんと歌昇さんのお二人も良かったです。吉右衛門さん、出てきただけで客席の「待ってました」感がすごい。やはり断然花形役者であることよと感心しきり。二枚目優男の役なので吉右衛門さんのイメージとは若干違う役所でしたけど、さすがに色気も花もあってすてき。可愛らしいしさ〜〜〜。単純な物語だけどこういうのも楽しくて良いですね。