「笑の大学」を見た

といっても見たのはもう10日も前です。たまたま1日に心斎橋まで出かけていて、道頓堀のTSUTAYAにDVDおいてあるかしらん、と立ち寄ってみたら置いてありました。しかも結構堂々と!絶対片隅の方に2,3本しか入荷してないだろうと思っていたので映画版と並んでの堂々ぶりに携帯で写真を撮ろうかと思いました(やめました)。

以前に見たときは私は西村雅彦演じる向坂に泣かされまくったのだが、今回は近藤芳正演じる椿に泣かされた。いやしかしどちらも本当に素晴らしい。
椿の眼鏡姿はまんまある意味三谷さんで、劇中近藤さんが汗だくになりながらその眼鏡を必死に押し上げる姿がすごく印象的ですよね。
眼鏡といえば、「王様のレストラン」の副音声で、三谷さんが西村雅彦さんに「西村は小道具の使い方が本当にうまいよね」と言っていたのを思い出しました。ちなみに西村さん曰くそのコツは「自分が眼鏡をかけていることを忘れること」なのだそうですヨ。

椿って三谷さんだよなあと思いながら見ていたからか、このやりとりにすごくどきっとしてしまった。

向坂「見終わった後観客心が奮い立つような芝居になっていればなおよろしい」
椿「これは喜劇なんです」
向坂「知ってます」
椿「ひとに笑ってもらうために僕は作っているんです」
向坂「まだおわかりではないようですね。笑わすためだけの芝居なら上演する必要ないんだ。
 ・・・3回、繰り返しましょうか。お国のため、お国のため、お国のため。」

三谷さんは一時自分の芝居が「笑わせるためだけの芝居」と言われていたことに対し、「そういわれることは僕にとって最高の賛辞」と返していました。
そういえばこの芝居のチラシ裏の言葉だったかな、「あらゆる制約に対して戦うすべての脚本家に捧げる」と書いてあったような。
何もこの特殊な時代の「検閲」というものだけでなく、とにかく売れるものを、泣けるものを、感動するものを、人間が描かれているものを、という種類の「検閲」はきっと今の時代も変わらないんだろうなあなどと思ってしまったりして。