「殺人者」

赤堀さんの作演、多分初めてです。例によって劇場行くまでどんな人が出ていたか失念しまくり、あ、中山さん出てたんだ、みのすけさんも出てたんだ!と開演直前に気付いた次第。

うーん、いいなあと思うところがなかったわけではないんだけど、どうもいまひとつまとまっていない感じが最後まで拭えなかった。すっごくノイジーに作られているので、集中力を保つのが大変なんだけど、たとえば複数の会話が同時進行する、というような場面でも、その状態の不自然な感じだけがいつまでも残っていたり、鳥の声にどうしても集中力を削がれたり。そういう計算なのかもしれないんだけど、それで舞台のテンションをひっぱって行くには集団としての吸引力がない、という感じなのね。中盤、耳が台詞を単なる音として聞き出しちゃってあーこれはやばいなあ、と思ってしまった。

ただ作品のいちばんの肝であるところの、石田ひかりさんの声が完全な暗闇の中から響いてくる、というシーンはとてもよかったので、そこは救いかな。5分だけ、僕と時間を潰しましょう、という台詞もすごく好き。

赤堀さんの作演は初めてなんだけど、役者としては以前「砂の上の植物群」で拝見していたことがあって、いやはや、あんな短い出番なのに、心底嫌な印象を植え付けるその存在感に再び感心。砂の上の時も見事なDVっぷりだったのだが、なにがってわけでもないけど、妙に「残る」ひとだなあと思いました。でも他のSHAMPOO HATの皆様も、相当に「やな感じ」を瞬時にして感じさせるのがうまかったです。劇団カラーなのか?