「THE BEE 日本版」NODAMAP番外公演

見終わったあと、ああ・・・これロンドン版も観なくちゃいけないのか・・・と思わずげっそりするほどトゥーヘヴィーな作品でした。ダメだったんじゃなくて、むしろ作品として良すぎて、「悪夢」があまりにも「良くでき」過ぎて、コレもう1回って言われても正直キツイっす!みたいな。トゥーマッチでトゥーヘヴィーというのはまあよくあっても、これだけシンプルなツクリでここまでガツンとくるのはすごい。凄すぎて・・・いやロンドン版と日にちあいててよかったわ、実際。2本連続とかマジ無理だったと思う。

たとえばオイルとかロープとかね、相当にストレートな直球勝負な作品であっても、やっぱりどこかでちゃんと作品として浄化させるところは作っといてあげましょうね、という部分があったと思うんですけど、THE BEEに限ってはもうそれ一切ナシ。あまりにも、観た甲斐のありすぎる1時間10分だったなあ。

前半の、暴力が暴力を呼びエスカレートしていく喧噪の時間よりも、後半の淡々と儀式的に繰り返される風景が思いの外堪えました。原作のタイトル「毟りあい」もまた、舞台を観た後だとぞっとする言葉にしか聞こえない。

近藤良平さんがどうはまるかな、と興味津々だったんですが、すごく面白い使われ方をしていて、良かったと思う。近藤さんの「異形の人」感もよく出ていたし、前半の動きの場面とか、相当近藤さんのアイデアで動かしているなという特徴ある動きが随所に見られました。ハチャトゥリアンの「剣の舞」でのあの野田さんの動きもそんな感じ。浅野さんの出番が若干控え目だったのは残念ですが、秋山菜津子さんは相変わらず素晴らしいし、野田さんも相当気合い入れて「役者」をやってるな!という感じだった。

いやしかしとにかく、がっつり重い。