新春浅草歌舞伎 第一部

傾城反魂香
亀治郎さん大好き、勘太郎くん大好きの私にとって今回の浅草のメイン(笑)期待にたがわぬ良さでした!特におとくの亀ちゃん!これ初役って・・・ちょっと信じがたいぐらいの出来のよさだったんではないでしょうか。前半、夫の代わりに将監に申立てするところよりも、後半の言葉少ない芝居のほうにぐっと惹きつけられました。中でも、夫の着物を整えながらふと手をとって「指も五本、手も二本・・・」というところ、あの一瞬で胸が痛くなるほどおとくの気持ちが伝わってきて、ちょっとー、なにー、ここで泣いちゃうのかよー、と自分でツッコミながら涙が勝手に出てきてしまったよ。とにかく隅から隅まで神経の行き届いた舞台を見せてくれていて、いやー見に来てよかった、と思いました。それを受ける勘太郎くんももちろんよかったです。吃りということで台詞の調子に頼れないし、結構、難しい部分あると思うけど、実直さが良く出ていたし、なによりおとくとの間の絆が良く伝わる芝居だった。将監に黙って頭を下げにいくところ、弟弟子に縋るところ、あの決して美しくはない必死さをちゃんと出していたと思う。それにしても本当に満足したいい芝居でした。この二人のコンビもこれから長く楽しませてくれそうですよね〜。とりあえず、来年は二人でがっつり踊っているところが見たい!と願をかけておきます(笑)

弁天娘女男白浪
松屋店先から。七之助くんの弁天は初めて見ます。お嬢さんを演じているところがあまりにも普通にお嬢なので、見あらわしのギャップは文句なしに楽しめる。男の顔になったらなったで普通に男前だしねえ。ただ南郷の獅童さんもそうだったんだけど、そこからの居直りにいまいちキレがなかったかなあ。って、私この演目見たの勘三郎さんの襲名のときの御園座公演だから、それが頭に残りすぎているのかもしれないけど。演目的には名台詞もたくさんあって、楽しい一幕でした。そういえば玉島逸当の愛之助さんが仁左衛門さんそっくりで驚いたよ!
最後の勢揃いの場はほんとに目の正月というか、華やかで勢いのある役者陣のきりりとした姿を拝むことが出来て楽しかったです。(あの役の中では)ぼんぼんな赤星十三郎が勘太郎くんで、優男なかんじもよく似合っていてうっとりりん。

ちなみにこの日のお年玉ご挨拶は獅童さんでした。筋書きをご案内されるときに「夫婦仲の良い」と口にしただけで客席がくすくす笑いに包まれてしまい、ご本人も最終的には自分でネタにしていたけど、なんかちょっと気の毒なり。