「八月納涼歌舞伎 第三部」

「紅葉狩」
いやーもう、すげえ楽しみにしてて。なんなら愛陀姫より楽しみにしてたんじゃないかぐらいな。三部のチケット取るときどの日にしよう〜〜〜って悩みまくってて、母に「金曜日でもいけるんじゃない、最初の演目踊りだからとばしちゃえば」とか言われてあほかーー!そんなことできるかーー!
だって勘太郎くんの更科姫なのにーーー!
とわめき散らすぐらい楽しみにしていました。金曜日だけど会社早抜けしましたよ!品川から東銀座って近くて助かる!

とはいえ紅葉狩を拝見するのは初めてなんです。でも演目としてはすごく好みだと思った。勘太郎くんの更科姫、声が・・・ちょっと苦しそうだったかな。もっと通る声のひとだと思うので、その点は残念。鬼の本性をちらりとのぞかせるところ、そして後半の鬼女になってからの迫力と立ち回りはよかったです。いや、もっといけるだろう!という気持ちももちろんあるけれど(笑)、でも勘太郎くんの踊りは本当に好きなので、これからが楽しみだなあと素直に思います。

そうそう、驚いたのは野菊が鶴松くんで、うわーー!おっきくなったなあ!!!と。丁寧な踊りもよかったです。

「愛陀姫」
アイーダ」は見たことないんです、というかオペラ自体見たことない。すいません。あらすじはあらかじめ予習していきまして、話は把握していたんですが、オペラ見たことないけど「あー多分ここアリアなんだろうな」とか「ここは3人の歌が交錯すんだろうな」とか想像できる場面も多々あり。

濃姫(アムネリス)と駄目助(ラダメス)、そして愛陀(アイーダ)3人の運命のいたずら、その悲劇性というような話の軸はかなり真っ正面から書ききっているのですが、それと野田さんらしいシニカルさあふれる場面がいまいち添ってないなーと思う部分もあったり。楽しいですけどね、福助さんと扇雀さんの占い師コンビ。名前もいかにもだし、ちなみに私はどっちも大嫌い*1なのでそのインチキぶりは痛快でしたけど。

それよりもそれぞれの人物が台詞で押す場面が素晴らしく、三津五郎さんの信秀が愛陀に愛国心と恋とどちらをとるのかと迫るあたりは素晴らしかった。そして濃姫と駄目助の牢でのシーン。いやー勘三郎さんのうまさが際だつわ。筋書きのインタビューによれば最初は濃姫のキャストじゃなかったようだけど、ホンをよんでやりたくなったそうで、それもさもあらんというか、この「アイーダ」を台詞劇にするとやっぱり「しどころ」のあるのは濃姫だと思う。愛陀は基本嘆き節だからなあ。個人的にああいうキャラには思い入れない性格なもので(笑)

演出的にもどうだー!というトリッキーなものより何気ないシーン、後ろに裁きの場を控えたシルエットを見せながらの濃姫のシーンとか、そういうさりげない部分の方が印象に残ってますね。あの映像を使う部分、「IZO!?」と思いました、思わず(笑)

*1:福助さんたちのことじゃないですよ、名前の由来になってる人たちの方ね