「グッドナイト・スリイプタイト」

  • パルコ劇場 C列15番
  • 作・演出 三谷幸喜

10264日。28年とちょっと。その中でのさまざまな「夫婦の時間」を切り取った芝居です。
二人が覚えていること、妻だけが覚えていること、夫だけが覚えていること、二人とも覚えていないこと。それぞれのシーンでのすれ違いや、「幸せだったあの時」、小道具の伏線なんかも、さすが三谷さん、という脚本ではありますが、とはいえ、やはり「小品」という感じもあり。実際にこれだけの夫婦の時間を積み重ねた経験のある方が見れば、また違う感想なのではないかなとも思いつつ。
夫の方の人物像には妙にリアリティがあるんですが、妻の方がなんというか・・・そこだけファンタジー、という気がしてしまったのも一因かな。まあ、そういうドロドロぶりは書きたくなかったのかもしれません。可愛らしくはあるけれど、微妙にイラっとくる夫のキャラは、なんとなく三谷さんとかぶりますね(笑)

一人芝居に続いて二人芝居にも登場の戸田恵子さん、やっぱり三谷さんの信頼が絶大ですね。中井貴一さんはコンフィダントに続いての登場。ほんと硬軟自在の役者さんですなあ。

劇中でこの夫婦はケヅメリクガメを飼っているんですけど、ケヅメの飼育下での寿命も30年ぐらいらしいですね。そうそう、パンフで実際ケヅメリクガメを飼っている佐藤浩市さんが「ケヅメ道」を熱く語っているのが面白かったです。