わおーん

かいじゅうたちのいるところ」観てきました!

有名な絵本が原作だしネタバレもなにもない気もしますが一応畳んでみる。いやあの短いストーリーをどんな風に映画にするのかなっていうのが凄く楽しみな部分でもあったんですけど、もちろん大筋の話(ママとけんか→いつのまにかかいじゅうのしまに→大冒険→帰還)というのは踏襲されているんですけど、「解放」というイメージが強い原作のかいじゅうのしまでのエピソードと比較するとすげえ複雑なんですよね。それにまず驚いた。

中でも、共同体の怖さみたいなものが端々に顔を覗かせるのが印象に残ったなあ。「そうしてみんなはいつまでも仲良く幸せに暮らしました」、とはならない、おとぎ話ではそうかもしれないけど、現実ではそうじゃない。その現実が「現実じゃない」はずのかいじゅうたちの中で起こっている。

キャロルとマックスは合わせ鏡のようなもので、マックスはそこである意味徹底的に「自分と向き合う」作業をすることになるわけですが、きみたちにもママがいればいいのに、とマックスが言ったように、キャロルと向き合うことでかれは自分が許される子どもだったことに気がついていく。

原作では家の中に閉じ込められるマックスがなぜ外に駆けだしていったかとか、ダグラスの腕とか、何を喋っているのかわからないふくろうとか、隠喩めいた表現もいろんなところにあって、そういうところからも掘り下げていける映画なんだろうなあと思いました。

かいじゅうたちの造形はほんとに見事で、かわいいけど、ちょっとこわい、でもおちゃめ、でもちょっときもちわるい、でもよく見れば愛くるしいかも!みたいな(笑)あの素早いんだかのろいんだかよくわかんない動きもちょーキュートだった。それからよかったのがあのみんなで作る砦!あの造形ったらない。

決して子ども向けの映画という雰囲気だけでもなく、でも子どもの頃の空気感も確かにあって面白かったです!