ろくでなし啄木、無事大千秋楽

2/26のソワレをもって「ろくでなし啄木」も無事千秋楽!おつかれさまでした、おつかれさまでした。わたしは前日25日のソワレと千秋楽を見てきました。いやーこれで3カ所の劇場で4回見たんですけど、わたしの過去最多リピート数4回にならびました(笑)どうなんだ!いやいやでも、実際チケットをほげほげと取ったときには「どうすんだこれもしつまらなかったら」とか真剣に考えてましたし、つまらないってことはないだろうけどわたしにとってリピート向きじゃない作品だったらどうすんだとかね、いろいろ思いましたけども、とりあえず4回ともちゃんと楽しめて見られたことに感謝です。

そうだ先に勘太郎くんに謝っておかなきゃいけないんだけど、あの財布の金額は250円でよかったんだね(笑)初日見たときに金額がぴったり合ってる印象があったので、大阪のときに違和感を感じたんだけど、気のせいだったかー。すまんすまん。

しかし、回数を重ねて見るごとに勘太郎くんと竜也くんのすごさがわかるというか、一見したときには吹石さんふくめ3人の力が拮抗しているように見えたし、ともすれば竜也くんの芝居は「自分の得意技を出している、手癖で勝負している」ようにも見えた。けれど何度か見ていると、そのたびごとに竜也くん演じる啄木が本当に心が傷ついたり感情が揺れたりしていることがわかる。「同じことをやっても、違う」というのを見事に体現しているというか。勘太郎くんは勘太郎くんで、かたちに気持ちが入る、ということをよく知っているんだなあということをしみじみ感じたし、ふとした一瞬で深い感情に到達するところとかさすがだなあと思うところが何度もありました。

本来はきっと「大まじめなんだけどやってることはおかしい」という三谷さんお得意の台詞術が、初日あたりはそのまま「大まじめ」だけが残ってしまっていい意味での軽さが失われていたと思うんだけど、千秋楽も前楽も軽妙さというのが端々に顔を見せていたのがよかった。やっぱり竜也くんの台詞って若干水分量多め、みたいなところがあるけど、それがいい感じに抜けていたなーとおもう。

芝居全体としては前楽の回がとにかくすごくよくて、完全に2人の役者がこの空間すべてをコントロールしている、と思える瞬間がたまらなかったです。千秋楽はお遊び的なシーンのはっちゃけもあったけれど、個人的には千秋楽の藤原竜也の芝居は圧巻だったとおもった。ああいうものが見られるから劇場通いはやめられない。勘太郎くんが最後のモノローグ(決して大きくはないが、東向きに小さな窓のある…と語るところ)で涙ぐんでいたのもむべなるかな。

芝居の最後、暗転になってふたたび照明がつくときに、勘太郎くんがほどけるように笑顔を見せたのがとても印象的でした。安堵とも、達成感ともとれるような。公演期間中に、いろいろあったものね。パパにもなったしね!

しかし勘太郎くんはもう休む間もなく、明日には、博多座の初日が開くのだ。うう、わたしが緊張してもしょうがないのに緊張してしまう。がんばってなんて言えない、だってがんばってないわけないもん!もう祈るしかないですよこちとら。

楽日のカーテンコールは特にサプライズはなかったんですけど、あの、二幕の最初に後ろ向きで傘を差して雨に打たれてる男のシルエットがどうも三谷さんぽかったような気がして気になってますww

たっちゃん勘ちゃんのふたりがまた舞台で共演することなんて、たぶんそうそうある機会じゃなくて、だからそういうふたりを見られたことが、その舞台でどちらもその持てる才能とセンスを輝かせてくれたことが、なによりもうれしかったです。三谷さんが新聞の連載で書いてくださった言葉はわしの宝物ですけん。ほんとうにほんとうにおつかれさまでした!!