言葉はいつも、想いに足りない。

わかっていたことです。

鴻上尚史さん「第三舞台」解散へ 11月から最終公演
劇作家、演出家の鴻上尚史さん(52)が21日、主宰する劇団「第三舞台」を11月からの新作公演を最後に解散すると発表した。
第三舞台は、早稲田大学の演劇研究会を母体に1981年に旗揚げ。スピード感と笑いのある作劇と演技で、現代人の孤独や空虚感を描いて人気を集め、80〜90年代の「小劇場ブーム」を代表する劇団の一つになった。俳優の筧利夫さん、長野里美さん、大高洋夫さんらが所属している。
劇団は2001年の結成20周年を機に「10年間の活動封印」を宣言していた。今年の復活公演に向けて俳優らと話し合う過程で鴻上さんは、「区切りをつけることに決めた」という。
最後の作品「深呼吸する惑星」は、11月26日から来年1月15日まで、東京、大阪、福岡で上演する。

センチメンタルでノスタルジックな戯言は自分のサイトの日記のほうに吐きだしたのでそちらで。

青天の霹靂というものでは個人的になかったのだけれど、唯一気になっていたのがこの復活公演を解散公演にしようと最初から決めていたのか、それとも公演に向けて具体的な話を進めていく中でそうなったのか、前者ならなぜ復活公演発表時に解散を発表しなかったのか、ってことだったので、それがこの記事のなかでいちおう明確に語られているのがわかったのはよかった。確かに解散すると決めていながら復活公演を宣言するというのは鴻上さんらしくない。

でもってなにげに最終公演の日程もがっつり発表になっていて、これが紀伊国屋大阪サンシャイン福岡。大阪と福岡の劇場はまだ未発表。大ラスまた福岡です!でもってサンシャインって…サンシャインといえばハッシャ・バイじゃないですか…(こういう情報が反射的に出てくるところがマジキモヲタ)絶対わかってて劇場選んでるだろう!こいつめ!こいつめ!

一報を聞いたときからいろんなことが走馬燈のように…じゃないけど、でもいろんなことが頭をよぎって、私が自分の記憶の小さな小箱にため込んでため込んでため込み続けた台詞たちが一気にどぶぁあ〜っ!!っと口からあふれそうになったけれど、今日は雑誌「ぴあ」の最終号が発売だったということもあって、この台詞がなんとなく自分の脳内を回り続けていた気がします。

例えば、部屋の片隅に打ち捨てられている一つの人形があるとしよう。
あなたは、その人形と共に、ある時間を確実に過ごしたはずだ。
いや、ひょっとしたら、そんな時間を持つこともなくその人形は、部屋の片隅へと転がったのかもしれない。
もはや、あなたの意識には、その人形は存在しない。
そんなある昼下がり、あなたの友人があなたの家に遊びに来る。
ひとしきり遊んだ後、その友人は、部屋の片隅にある人形に目を止める。
そして、その人形が欲しいとあなたに迫る。
あなたは、その時、その人形に決して感じていなかったいとおしさに気づいて驚く。
友人の言葉によって、一瞬前まで、決して感じていなかった人形に対するいとおしさに震える。
その時、人形は蘇る。いとおしさに溢れて、あなたの目の前に蘇る。
その人形を手放したくないと友人に告げる。
やがて、友人は去り、その瞬間、あなたの人形へのいとおしさは消える。
だが、それを悲しんではならない。
あなたが感じたいとおしさは真実なのだ。
それは、あなたが生きることで捨ててきたあなたの人生の真実に対応する。
僕達は、片隅に転がる人形のように、自分の人生を捨てながら生きていく。
何種類の人形を捨ててきたのかも忘れて、その人形と過ごした幸福な日々も忘れて、僕達は、生きていく。
だが、ある昼下がり、友人があなたを訪ねる。
そして、捨ててきた人生を欲しいと迫る。
その瞬間に感じるいとおしさ、それは、真実なのだ。
私は、私はあなたの、そういう友人になりたい。
ビー・ヒア・ナウ/鴻上尚史

星だって宇宙だって第三舞台だって永遠じゃない。
とうとうその時がきたんだなあとおもう。
でも私の中で、あの幸福な舞台の記憶は永遠だ。
それを教えてくれたのは、ほかの誰でもない、第三舞台だった。

最終公演。
私と第三舞台の、最後の「お互いの確認」ですね。
とてもとても、楽しみにしています。