音楽!

「深呼吸する惑星」の使用曲の話とか。まだ見てない人はここで回れ右!
第三舞台と曲、というのは切っても切れないというか、あの舞台で使っていた、あの曲はなんなんだ!ということをそれこそ若き日の私は血眼になって探しまくったわけですけれども、今やそれも、twitterで鴻上さんに気軽に直接聞ける時代になったのだからすごい。いやtwitterがなかったとしても、歌詞のワンフレーズを覚えていればすぐに検索できるし、誰かに「知らない?」と投げかければ集合知というやつが答えてくれる可能性が限りなく高い。すごい時代だ。

…ってそんな話をしたかったのではなく、つまるところあの頃私はYMOブルーハーツもアンジー佐野元春も知らず、それらはすべて「舞台の上」から教えてもらったものばかりだったわけです。でも「深呼吸する惑星」で使われた曲のうちいくつかは、すでに私のipodに入っていて、入っているどころか私はそれらの楽曲を実際にライブで聞いたこともあるのだ。こんなこと言うのもおかしいけど、あの頃に比べて、つまりそれは自分が高校生で初めて第三舞台に出会った頃、ということだけど、私の世界も広がったんだなーなんてことを思ったりしたんですよね。

それは今年の夏に虚構版の「天使」を見たときにも、かつて「ハンマー」だった楽曲がandymoriの「革命」で、「みんなのうた」だった楽曲がかりゆし58の「流星」になっていて、それが初めて聞く曲ではなくて「どこかで聞いた」「知ってる」曲だったときにも感じたことでした。

さて今回、深呼吸する惑星で使われているうちの1曲がスピッツの「恋する凡人」。
この曲、鴻上さんは虚構の劇団の公演でも使用していたとのことで、よっぽどお気に入りなんだろうなーと推察するのですが、もちろんわたしも大好きな曲ですし、NHKの「SONGS」で演奏してくれた時なんかtwitterでもぎゃあぎゃあ騒ぎまくりました。

たとえばイントロのインパクトやリズム、そういうものが「ばっちりはまって」いるというのももちろんありますが、この曲の歌詞も絶対重要な要素なんだろうと思うんですよね。

恋する凡人 試されてる 狂った星の上
やり方なんて習ってない 自分で考える
「変わりたい」 何度思ったか
妄想だけではなく

今走るんだどしゃ降りの中を
明日が見えなくなっても
君のために何でもやる
意味なんてどうにでもなる
力ではもう止められない

「妄想」「狂った」「どしゃ降り」「意味なんてどうにでもなる」あたりに鴻上テイストを感じる(笑)

そうだ走るんだどしゃ降りの中を
矛盾だらけの話だけど
進化する前に戻って
なにもかもに感動しよう
そのまなざしに刺さりたい

ちなみに私はここの歌詞が一番好きなのです、進化する前に戻ってなにもかもに感動しよう。ヒー!書けない!これは!なんというパンチライン

そして最後の

これ以上は歌詞にできない

突然のメタ構造。すばらしい。

彼らはかつてブルーハーツに憧れ、そしてブルーハーツを見て挫折し今の彼らがある、という人たちですから、根底では繋がっているところがあるのかもしれないですよね。というか、草野マサムネというひとの歌詞が私は大好きですので(歌詞という点では吉井和哉と並んで東西両横綱)(聞いてない)、鴻上さんがスピッツの曲をー!というのはなんというか、なんともいえないニマニマ感があります。俺得ってやつ?

ちなみに「恋する凡人」は最新アルバム「とげまる」に収録されているのですが、来る12月21日に発売されるDVD「とげまる20102011」にはそのライブ映像が収録されているのでおすすめです。あっなぜか意図せず回し者な展開になっていますが、スピッツはそのキャリアに反して滅多にライブ映像をメディア化しない人たちなので(第三舞台の方が出してるDVDの枚数多いヨ)これを機にぽちっと行ってみるというのはどうでしょうか。私が言うのもなんですけど、見ると聞くとは大違い、とってもタフなバンドです。ええ。

とげまる20102011(初回限定盤) [DVD]

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