書き出したらキリがないのでとりあえずあんまりバレじゃない（かもしれない）感想を。
ホント繰り返しになりますが、2部作の予定が3部作になったと聞いた時点でほとんどイヤな予感しかなかった。だって文庫で全9巻のLotRが３部作で、上下巻のホビットがどうやって３部作になるんじゃと。しかも「思いがけない冒険」が２時間４０分の長尺だという。大丈夫なのか。めっちゃうっすいぺらっぺらの話になるんじゃないのか。
とか思っていた私をタコ殴りにしてナズグルの前に差し出して下さい（土下寝）
さすがLotRの製作スタッフというか、この人たちのトールキン作品に対する愛をなめていた。ほんとに己を恥じ入ります。むしろLotRのときより「もうハリウッドに媚びずに好きにやるんだけんね」的な思い入れとヲタクっぷりの暴走を感じます。素晴らしい。もう一生ついていきます（現金だなオマエ！）
この、原作ではどこかのんきなホビット庄の描写で始まる物語を、「そもそも」から始めているところがまず素晴らしい。そういえばLotRのときもあの指輪の「そもそも」を丁寧に描いていたのであった。かつてあったドワーフたちの黄金都市エレボール、その崩壊とスマウグの凶悪さ。そしてそこから始めることによってトーリン・オーケンシールドの貴種流離譚の色合いがはっきりと打ち出されてくるわけです。
でもって、個人的に私のツボだなあと思ったのが、ビルボと一緒に旅をする１３人のドワーフたちが、トーリンを除いてどこかはみだし者の空気を纏っている。バーリンは歴戦の勇者ですがすでに年老いており、他の大勢の者は鍛冶屋や仕立屋や（とバーリンが自虐的に語るシーンがあります）その他、お世辞にも精鋭とは言えないキャラクターたちで組まれたパーティだということです。あれだ、新感線ファンにしかわかんない喩え出すけど「髑髏城の七人」の兵庫の台詞っぽいんだ。「天魔王！オマエが雑魚だと思ってる連中の力見せてやるぜ！」的な。
そういう彼らがねえ、自分たちの故郷を取り戻す旅をする、そういう構図が前面に押し出されてきてるんですよ。原作ではそこまでこうした色合いは出ていないですし、まずトーリンからしてもっと近寄りがたい（と思いました原作を読んだときは）。基本的に原作に忠実に作られていて、大きく何かを改変したというわけではないのに、角度をすこし変えることで見せてくるっていうのがほんとうまいなあと思いました。
美術や衣装、音楽なんかは基本LotRスタッフ続投ばかりなので、世界の「地続き」観ががっちり守られているのもうれしいところ。話題のHFR3Dはほんっとに素晴らしかったのでお近くで体験出来る方はぜひ！とオススメしたいです。とくにIMAXのHFR3Dは日本でも3館でしか見られないのだよ！なんつー貴重な…！
ビルボ役のマーティン・フリーマンはさすが、もうPJがアルキメデスばりに「見つけた！」と叫んだのもむべなるかなというぐらいビルボにぴったりです！仕草のキュートさもさりながら、コメディのセンスが抜群すぎる。暗やみでなぞなぞ問答はアンディ・サーキス演じるゴラムの素晴らしさもあってあんなに面白いシーンに仕上がるとは！と感じ入りました。アンディほんと、すごいわ。すごすぎるわ。映画館でもあちこちで笑い声が起こってましたヨ！
でもってトーリンの格好良さだよね…なんだあれ。なんだあれ！しかもあいつ、ちょうツンデレじゃねえかよ！つーかリチャード・アーミティッジ歌うますぎじゃねえかよ！そうだ歌をたくさん入れられて嬉しかったってPJ言ってたものなあ。あーそれにしてもなんだよあのヒゲ…ほんといいヒゲは七難隠すね…（人様の名言を流用）（ってトーリン七難もないけどネ！ちょう男前だけどネ！）キーリとフィーリの男前要員ももちろんステキでしたが、いやもうドワーフみんなかわいい。ほんとかわいい。バーリンだいすき（どさくさに紛れて告白）
そして当たり前ですけど灰色のガンダルフ大活躍で、もうあんなにグラムドリングぶんぶん振り回して武闘派ジジイにもほどがある、いいぞもっとやれと思いました。ガラドリエルとエルロンド、サルマンの白の会議挿入はマジGJと言わざるを得ない。ここは強引にガラ様ねじ込んで賛成ですよ！そして甲冑姿のエルロンド様にときめきまくった私ですよ…FotRの冒頭以来のお姿…ハア…（うっとり）
しかし、このあとあれがあってこれがあってああなってこうなって、とこの先の展開を思うと震えますね楽しみすぎて。そしてFotRを最初に見たときとまったく同じ症状を発症しています。つまるところもう指輪のことしか考えられない病。間違いなく年内だけで３回は見るであろう（予言）。
そして第三部の公開が７月ということはあれだ、夏休みとかとってニュージーランド行けるんじゃないか。とか本気で考え始めている今日この頃です。だって一度でいいからエンバシーシアターで見たいじゃん。つーか公開時に行ってグッズ買い漁りたいじゃん（そこか）。夢は大きく果てしなく！
