90ミニッツ名古屋公演観てきました

名鉄ホール。2ヶ月ぶりでしょうか。何に驚いたかって、客席がどっかんどっかんよくウケる!パルコで観たとき、ほっとんど笑い声のない中で観劇したので、これははたしてところ変わればなのか、それとも名古屋のローカル番組で三谷さんが仰っていたように「緊迫したシーンが続くので笑いの沸点が低くなっている」からなのか、どちらでもあるのか。

なので同じ芝居なんだけど、まったく違うものを観た後のような感覚で、いやー不思議な感じでしたね。

いったんは「本人の意思が確認できた=サインはいらない」という立ち位置にいた医師が、そのあとさらにサインに固執する展開はちょっとボタンの掛け違えのような印象を残してしまいますけれども*1、物語の流れがそこからは一気呵成なので、その中にうまいこと落とし込んでいるなーと思ったり。

近藤さん演じる父親の人間像が、ちょっと印象が変わってきているかなという感じはしました。「得体のしれなさ」が薄くなって、より人間的になった感じ。あと、何気ないけれどすばらしくいいフックになってるなーと思うのは、医師と不動産屋との会話。父親がもう部屋の中にいるときに、「10分で」かけ直すと言ってしまう医師。あれは彼が唯一見せたある種の傲慢さではないかと思うんですよね。

延々と続く対話、対話、対話。徹頭徹尾言葉だけ。それでも十分に面白い舞台ができる。堪能しました。

*1:「死にたくない」の台詞の解釈だけの話なので、本人の意思が確認できたと突っ走ることも出来るのではと観客は思ってしまう