どちらが鱒で、どちらが釣り人か

普段芝居をマチソワでハシゴするなんてことは当たり前にやってるのに映画のハシゴってのを実は余りやったことがなかった(もしかしたら初めて…?)ので、折角予定のない週末なので一気に2本見てきました。見てきたりました。
1本目はこちら。

シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」。

1作目も映画館に観に行ったのですが、ジュード・ロウロバート・ダウニー・JRも好きな役者さんだし、シャーロキアンというにはほど遠いもののいちおう原作(とグラナダTVのドラマ)のファンということもあって今作もえっちらおっちら足を運びました。しかし1作目、面白かったんだけど、謎解きの要素は薄いし最後になればなるほど大味、というところもあったので、そんなに期待していたわけではなかったのです、が!

大抵シリーズものは最初が一番面白くてあとは下がる一方、ってイメージですけど、これに限っては2作目の方が面白かったです!!!それはやはりなんといっても「ジェームズ・モリアーティ教授」という最高の悪役がホームズの前に立ちはだかるからであって、悪は徹底的に巨悪であればあるほど面白いという私の自分内物差しにがっつりはまった、しかもモリアーティが全く言い訳のない悪人であるところもとてもよかったです。シューベルトの「鱒」をバックにモリアーティがリンチする場面なんか、悪者かくあるべし!な風格で大好き。

モリアーティとホームズが「最後にどうなるか」っていうのはもう誰しもが知っている結末であるのに(どこで国際会議やってんだヨとは思いましたが)、そこに向かうテンションが最後まで落ちないというのはすごい。あと暗殺者の正体がセバスチャン・モラン大佐だとわかったときにキター!となった原作ファンは多いのではないでしょうか!原作では「教授の片腕」としてホームズが述懐するわけですけど、実際にそのアサシンぶりを見られてマジ興奮しましたよおれは。

ホームズとワトソンのブロマンスも惜しみなく注がれていて、教会のシーンでワトソンの手をとって馬車をおろしてやるところとか、二度だけ拍手をおくるときのホームズの笑顔とか、その他もう隅から隅まで、いやもう爆発したい方は好きなところで爆発させてくださいといわんばかりの萌え爆弾の仕込まれようにも唸りましたね。

それにやはりなんといっても最後にモリアーティを追い詰めるのがアクションではなくてホームズの「頭脳」であるところがこうでなくっちゃ!!という喜びがあって、ものすごい満足度で映画館をあとにしました。DVD出たら買うかもしれない。