ロマンスこそすべて


映画館で予告編見て面白そうだなーと。フランス映画。事故で首から下が麻痺して動けなくなった大富豪と、その世話係に雇われた青年の友情の物語…というと、どことなくハンケチで涙をしぼる系なのかって感じですが、いやもちろん感動的な場面もありますが、それよりもすごく「笑える」、軽妙なやりとりが印象的な映画でした。

わたしのおフランスに対する勝手なイメージに他ならないんだけど、でもなんというか「ロマンスがなければ人生じゃない」とでもいうのか、別に色恋の話だけではなくて生きていくうえでの「ロマンス」の要素をほんとうに大事にしているし、このふたりが分かち合っていたのはなによりもその「ロマンスがなければ人生じゃない」という部分だったんじゃないかって思いました。

実際にわたしがフィリップの立場だとして、あんなふうに土足でずかずか(たとえば文通相手に勝手に電話しちゃうとかさ!)入り込んでこられたらギャー!クビだー!とかなりそうだけど、でもそういう風にいっさいソフィスティケイトされずにぶつかってくる「他者」をフィリップは求めていたのかなーなんて。

Boogie wonderlandでドリスが踊るシーンよかったなー。母親を弟と迎えにいって、何も言わずに荷物を持ってあげるとこ、なにげないところなんだけどああいうのにすごくよわい私。これが加齢か…(突然のクワトロ大佐禁止)

息をしたい、というフィリップを有無を言わせず早朝のパリに連れ出してあげるところと、ラストシーンがいちばんぐっときたところでした。ラストなんかさ、もうドリスが何をしようとしてるか完全にわかってるのにそれでもほろっときちゃったのは、フィリップの手に「ロマンス」が戻ってきた瞬間を見られたような気がしたからなんだろうな、きっと。