今週の清盛

第47回「宿命の敗北」または「立つ鳥あとを濁しまくり」。
落ちていく平家を後々まで悪い意味で語りぐさにする富士川の戦いNOW!
これほどまでに文字通りプゲラっちょされた戦がかつてあったでしょうか。いやない。平家物語詳しくないひとでも「ああ、あの水鳥の飛び立つ音を敵襲と勘違いして逃げたやつね」とすぐに得心するアレである。そしてこの(平家がメインの)(いやだからこそか)大河にあっても、それはそれはもう容赦ない描きぶりであった。負けるべくして負けたってこういうこと?ねえねえこういうこと?

個人的に重盛たんの息子である維盛についてはあの殿下乗合事件のときの「おれっちのパパえらいんだかんね」的態度からこっちムシが好かず、そしてことあるごとに「もう戦とかー、マジ古いしー」みたいなことを忠清に言っていたのもカチンときていた。ら!やっぱりなっていう。しかもこれに軍師としてついていたのが忠清だっていうんだから。

忠清はここまであくまで従順に、それゆえにさほど目立つこともなくこのドラマの中にあったひとでした。敗北に激昂した清盛が忠清の処罰を言いだし、皆がそれを説得しようとするときにも、あくまで侍として従う…のかと思っていた。ところが、ここにきて忠清が、今までもっとも「何も言ってこなかった」男が、凄まじいまでの揶揄を込めてあの清盛に意見したのである。

「平家はもはや武門ではございません。殿ご自身がもはや武士ではございません。殿が目指した武士の世は武士のままでは作れぬものにございました」

この台詞は、少なくともこのドラマにおける「なぜ、平家が滅んだのか」というひとつの回答であるような気もする。清盛自身がもはや武士ではない、という言葉ではなく、清盛が目指した武士の世は武士のままでは作れないものだった、という言葉が。そして、かつて敬愛する父に叩き込まれ、自分自身を支えてきたものがすっかり自分のなかから抜け落ちていることに気がつかされる清盛。

さて、では彼は武士に帰るのでしょうか。もう一度自分自身の支えを取り戻すのでしょうか。それを、あと、3話で、か…うおおおおおん。しかし回想シーンが出てくるたびにもう清盛が完全に別人なのでほんと松山ケンイチさんハンパないと思います。

さて平家のことは置いといて、今回はなんといってもあの名高き黄瀬川の兄弟対面があったわけですが、その前に平泉で義経と弁慶がまさかのウィリアムテルごっこを始め出すとかどうしたことかと思いました。弁慶のオチも含めて今のところ安定の源氏コント健在です。それにしても神木きゅんのかわゆさよ!このまま来年ダークネスになっていく頼朝ときらきらきゅんで壇ノ浦のあともやってくれないかと思ったり思わなかったりです。そうそう、窮地の頼朝を見逃した梶原景時(浜田学さん!)は歌舞伎でもしょっちゅう出てくる人物。大抵悪い人(後に義経と対立するから)。そして大庭景親役のひとの名乗りがかっこいいなと思ったらMOPの木下政治さんだったのは嬉しいおどろきでした!