2012年のベスト

総観劇本数58本(リピート含まず)。この3年間ずーっと38本で推移してきて、今年は舞台をたくさん見る!と決めていたので有言実行になって嬉しいです。そして反比例というわけではないけどライブの本数は減りましたね。

舞台をたくさん見よう!と思ったのは完全に第三舞台の解散公演の影響というかなんというか、ほんと初恋の威力ハンパないと思いました。頭をつかんで「おまえの好きなものはこれだろう!」と引き戻された感じ。というわけで、恒例のベスト、今年は10本をチョイス。

  • 11ぴきのネコ

小劇場好きにはたまらないキャスティング、安定の演出、いずれもよかったです。なんでDVDにならないんだろー。有起哉さんの演じたにゃん太郎の最期がすごく印象に残ってます。

  • ザ・シェルター/寿歌

SISもやりましたが、加藤健一事務所版のほうです。これはここまで幾度となくこの戯曲を手掛けている加藤健一さんが貫録を見せつけたという感じ。なんなんだあのうまさ。舌を巻くなんてもんじゃない。

  • 百年の秘密

畢生の大作、といっても相応しいだろうと思うような大河ドラマで、その視点の確かさ、演出の見事さ含めて圧倒された舞台でした。ほんと近年のケラさんの作品はどれもこれも筆力がありすぎです。

  • 土蜘

勘九郎さん襲名演目。ほんとこの人はこういう「世にあらざるもの」をやらせると抜群の雰囲気を見せますよね。所作の確かさも含めて素晴らしかったです。

  • め組の喧嘩

平成中村座五月興行。勘三郎さんの辰五郎は初役とは思えないはまりっぷり。あの喧嘩に出かけていくときの「やっつけろい!」に思わず興奮で叫びそうになりましたよ!

  • 南部高速道路

演出のワザでもあり、脚色のワザでもあり。見立ての見事さ、客席を絶妙に巻き込む雰囲気作り、そして何よりあの「最後にはなにも残らない」という展開がめっちゃくちゃ好みでした。

  • 天日坊

若い世代だけで手掛けるコクーン歌舞伎。しかし、宮藤さんの脚色の腕の確かさってほんとなんなんでしょうね。勘九郎さんや七之助さんも素晴らしい仕事をしてくれて、あとの世代に心強さを感じた芝居でした。

  • ふくすけ

再演演目なんですが、やっぱりベストに入れたくなる。劇場で見るのと見ないのとでは大違いなんだなあ。そして阿部サダヲという役者はまったく、うなるほどうまい!

  • 図書館的人生(上)

これも個人的にすごくツボにはまった芝居でした。前田さんの世界観ってがちっとはまると一気にもっていかれますね。まだ今年(下)があるのでそちらも楽しみです。

ここまで観劇順。で、2012年のベスト1はこれです。

  • ヒッキー・ソトニデテミターノ

評判の高さに新幹線に乗って日帰りで出かけてしまったんですが、それを後悔させないどころか、この自分の無謀な行動力に感謝したくなりさえしました。これを見逃さないでよかったと心から思いましたし、今思ってもあの観劇後の、熱い塊を飲み込んだような気持ちをまざまざと思い出すほどです。登場人物たちが「世界のイレギュラー」について語る場面、妹の「そんなの、これから知ればいいことでしょうが!」の台詞、そして吹越満という役者のすごさ。どれもこれも忘れ難い。文句なしのベスト1です。

2012年はこちらで清盛の感想を書いたりしていたので、昨年一昨年にくらべてもぐっと更新頻度はあがったのかなーと思います。あと、今年は私にしては映画を映画館に見に行った年でした!たぶん10本ぐらい?全然多くないですけど私にとってはすごく多いんですよううう。
ホビット」は尋常じゃなく思い入れてるのであれですけど、映画のベストはと言われたら一も二もなく「アルゴ」です。あれはすごい。アカデミー賞獲ったらうれしいなあ。むりかなあ。

2013年もまた見たことない劇団とか新規開拓したいですネ!とりあえず年明けは「音のいない世界で」「五右衛門3」「祈りと怪物蜷川版」なんかで幕開けです!