次の50年に乾杯

日曜日にAXNで放送していたゴールデン・グローブ賞の授賞式を見てたんですけど、セシル・B・デミル賞(長年にわたって映画界に貢献した人物に贈られる。功労賞のようなもの)を受賞したジョディ・フォスターのスピーチがとてもよかったのでちょっと書き起こしてみた。
このスピーチで彼女がカムアウトした、というニュースはyahooのトップとかにも出てましたよね。それもなんというか、ちゃんと通して聞けばそれとわかる、というような言い回しでよかったんだけど*1、さらにそのあとに続く言葉がとてもエモーショナルで胸打たれた。もちろん!私には哀しいかな語学力が備わっていないので、書き起こしたのは放送の字幕ほぼそのままです。文字だけだと彼女のユーモアとウィットに富んだ雰囲気が損なわれてしまうのがなんとも、なんですが、そこは実際のスピーチ映像を見て雰囲気を感じとって頂ければ。2分30秒あたりからが該当部分です(途中省略部分もあり)。ちなみにスピーチの原文はこちら

最近ではセレブの務めとして
私生活をさらすべきだと聞いたわ
言っておくけど私の生活はリアリティ番組じゃないの
今までも、これからも違うわ
私のリアリティ番組なんて、きっとすごく退屈よ
マリオン・コティヤールとキスして
ダニエル・クレイグのお尻をぶつ
悪い仕事じゃないけどね(笑)

ヨチヨチ歩きの頃から名前を知られて
現実的で普通の生活のために闘っていたとしたら
誰しもプライバシーを重んじるはず
いつか人々は思い出すでしょう
プライバシーの美しさを
私は三才の頃からこの世界にすべてを捧げてきた
リアリティ・ショウに値するわ
(中略)

そして心から愛するひとにお礼を言わせてください
共に子育てをしてかつてのパートナーである彼女
スキー仲間で20年来の親友 シドニー・バーナード
ありがとう シド
このモダンファミリーを誇りに思っています
息子のチャーリーとキットは私が生きる力です
すべてあなたたちへの贈り物だと思ってちょうだい

そして一番の影響を与えてくれた母エヴリン
認知症の母にとって今夜はわからないことばかりね
でもこれだけは覚えてて
I LOVE YOU,I LOVE YOU,I LOVE YOU
どうか私の言葉が母の魂に入り込んで
いい人生を送れたと感じられますように
最高の母親よ
旅立つときも忘れないで

一つの時代が終わり、何かが始まるように感じる
怖いけどワクワクするわ
私はもうこのステージにあがることがないかもしれない
それが変化というものよ
でもストーリーを語り人を感動させる仕事は続けるわ
ただストーリーの語り方を変えるだけ
それはそんなにきらきらしたものでも
3000の映画館では公開されるようなものでもなく
少人数に捧げるような静かなものかもしれない

私はジョディ・フォスターであり続けます
人々に見つめられ深く理解されていたい
孤独ではいたくない

皆さん、ありがとう
次の50年に乾杯

*1:これから今まで公の場で言ったことのないことを言うわ!、と言ったあと、実は私独身なの、で会場を沸かせて、そのあとに「カムアウトじゃなくてがっかりした?でも私はもう1000年も前の石器時代からカミングアウトしてるつもりだったのよ。」