きみはゆくのか そんなに(キスを我慢)してまで

「ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE」見てきまんた!ゴッドタンは大好きだけど、個人的に即興よりもガッチガチに作り込まれた芝居を好むので、映画館で約2時間即興劇どうなんだろう…と不安に思うところもあったんですが、岩井さんと窪田くん見たさに出かけてきました日曜の昼。驚いたことに、つーのもあれなんですがほぼ満席だったのす…あの映画館があんなに入ってるのめったに見ない!見た感じカップルちゃんと男の子の連れ同士、という人たちが多かったかなー。

いやー面白かったです!見ている間何度もげらげらと笑いました(みんな笑ってるので心置きなく笑える)。スケールをこれ以上ないぐらい広げていても、もとはキス我慢なので、最終的にはキスをすれば終了。で、これがほんとすごいなと思いますけどどんな物語でも主人公とヒロインのキスってちょっとしたクライマックスですよね。ということはクライマックスですぱーん!と終われるんですよねこの映画。新しい、新しいよ。観客もその枠組みをわかっているので「この先どうなるんじゃい」みたいな野暮なことは言わない。

即興がちょい苦手な私でも、もともと主人公以外は台本があり、ひとりさんのリアクション次第でバウンドの方向を変えるボールをなんとかゴールまで持っていこう、というスタイルだったのがよかったみたいです。

主人公を演じる劇団ひとりさんはまったく白紙、それ以外のキャストスタッフには台本があって「辿り着きたい場所」が見えている。その辿り着きたい場所へのガイド役のひとりを担ってるのがハイバイの岩井秀人さんで、いやーこれハイバイ好きの人おすすめしたいです。岩井さん、ムダにかっこいいです!主人公の友人にしてほぼ唯一の味方、という設定もおいしいですが、全身黒づくめかつちょっとニヒリスティックなところもあり、全編にわたって物語を前へ前へ進めようと健闘している姿は一見の価値ありですYO!

劇団ひとりさんのあのアドリブ力というのは勿論凄まじいですが、台詞を言う、というだけならひとりさんならこれぐらいはやれるだろう、という気はするんですよね。だって自分で脚本書いて舞台に立つような人なんだもの。でも、すんげえなと思ったのはそれ以上に、ひとりさんが「聞く」「待つ」ことについて異様な嗅覚を持ってることでした。展開がわからないから相手の台詞から全部の情報を得なきゃいけないのはもちろん、相手の台詞がどこで終わるかも彼にはわからない。台詞を喋って、自分のペースに持って行く方が多分全然楽なんじゃないかなあ。展開のわからない、どこで終わるか知らない台詞を待つって勇気ですよ。

そういえば、芝居のダメ出しとかで良く見る光景ですよね。どう言おうかばっか考えて相手の台詞を聞いてない。エチュード苦手、というような若手役者さんはこれ見るといいヒントになるかもしれないですよ。いやわかんないけど←無責任

それにしてもバニシングポイントのメンバーが好みすぎて、どこで入会受付やってますかって聞きたくなりましたね。窪田くんのみならずオクイさんまで!しかも窪田くんのコードネーム「ミカエル」て!中二病的に美味しすぎます!予告編で使われてた窪田くんのカットがなかったので、あれーあのシーンないのかなと思ったら!ら!佐久間さんありがとうございますぅ(土下座)彼らを追う刑事パートが渡辺いっけいさんと斉藤工さんで、設楽さんや矢作さんたちが「あっいっけいさんだ!」って反応してくれたり、やっぱ役者さんが出ると締まるねえ!って言ってくれたりして我が事のように嬉しかったですデヘヘ。

そうそう、この進行中ずっと番組MCの言ってみれば「副音声」がずっと聞こえてるというのも面白かったです。劇団ひとりさんのアドリブに感心するのも一緒なら、時々あえて雑になる展開にツッコむのも一緒。もう、あの赤外線のとこまんまと大爆笑しましたヨ!

サンボマスターのエンディングテーマもいい曲ですよねえ〜。頭のなかをぐるぐるぐるぐる。楽しい映画でした!