「ホビット 決戦のゆくえ」見てきた!

ホビット 決戦のゆくえ」、初日初回IMAXと初日吹き替え4DXで見ました!というわけでいろいろツッコミ入れつつの感想メモ書き行ってみよっ!ちなみにこの先、ネタバレしかありません!

・「我が名は炎 我が名は死」っていうスマウグさん中二病ですか?な前作の引きから続くのでいきなりのクライマックス感
・わたし、ここでキーリ達エスガロスに残った組がバルドに手を貸す展開になるんじゃないかと思ったんだけど(そのために分けたのかとすら)ビタイチそんな展開にならなかったのでびっくりした!バルドさん100パー自分の手で苦境を切り開いてた!
・原作で私が一番好きなシーンがこのバルドvsスマウグなんだけど、「おまえをさいごまでとっておいた」の台詞はなかったね。しかし、「もはやここが第三部のクライマックスなのでは」っつーほど絵になる展開だった。そうきたかー!バルドさんかっこよすぎ!
・この展開がアバンタイトルってのもすごいですよね。統領はこれっきりなのか。それともEEで出番があるのだろうか
・一方その頃ドルグルドゥアではガン爺がとらわれの姫、いや爺になっておったのじゃった
・しかしよう捕らわれるひとやでアンタは
・そしてキタ奥方無双。白の会議 っ ょ ぃ
・あの怖ドリエル様がサウロンに「そなたには形もない 顔もない」って押し返すところ、奥方玻璃甁持ってる?よね?
・ガン爺が後半で持っている杖はラダガストにもらったんかな。ラダガストが持っている杖がLotRでガン爺が持っている杖に激似だというのは第一部公開当初から指摘されていて、どこかの時点で託されるのでは…と噂されていたのです(ホビット第一部でガン爺が持ってる杖はヘッド(っていうの?)のデザインが結構違う)
・キーリがタウリエルに「一緒に行こう。なにもおそれない」とか言っててコイツ…これだから恋に恋する若者は…ってなりましたけどこれは私の心が狭いせいですか
・いまそれ言ってどうする、というようなことですけどやっぱり私キーリとタウリエルのロマンスいらん派ですし、なんならタウリエルに想いを寄せるレゴちんとか見たくなかった派です。この女を追放するなら俺も!そんなキャラじゃないでしょレゴちん。「太陽を探しに行ってきますからね!」のひとでしょ
・そういえば最初のトレイラーにあった、あの氷の上をドワーフ何人かが馬車(?)みたいなもので滑走するシーンがなかったですね。EE行きでしょうか。つーかどこにあたる場面だったのかなあ

・第一部で描かれたトーリンのキャラクターが高潔を絵に描いたようだったので、特に三部での展開どうするんだろうなあ、けっこう変えてくるんだろうなあと思っていたらそこは思いのほか原作通りだったなー
・だからこそあのドングリの場面はやられた…ああいうのほんと、うまい。PJは心底ホビットという種が大好きなんだろうなーと思うし、なんだかんだあっても最終的にそこは絶対に信頼してると言える
・この場面が秒速で泣けるほどに好きなので、あのドングリをもっと有効活用してもらいたかった。表門でのいざこざのときにあのドングリが落ちてトーリンがそれを拾っておいてみたいな。黄金病からさめるときもそのドングリを拾おうとして王冠が落ちるみたいな。でもって今際の際にそれをビルボに返すみたいな。ワー自分で書いててなんだけどすげえ安っちい展開!
・そういうことを思わず考えてしまうほどに「ささやかな旅の土産」の話をするトーリンの表情ふつくしすぎた
アーケン石をトーリンに渡すかどうか逡巡するのも、バーリンのトーリンへの諌言がはねつけられたあとにひっそり涙するバーリンと会話、みたいなのがはさまってるのが原作にはないけどいい展開。あそこでバーリンはちょっと気がついてそうだもんね
・これでトーリンに好感を抱かせるのはむずかしいだろう…と思っていた展開をすごくうまく描いていたので(あのドワーリンに出て行けって言ってるときトーリン自身が苦しそうだもんねすでに)そこはさすがだなあと思ったなあ

・しかしそれとは逆に、五軍の戦いの展開のほうが大きく原作とずれてしまったなあという印象。そもそも、これ原作読んでいないひとに「五軍」が何を指すかわかっただろうか?人間・エルフ・ドワーフの三軍とゴブリン(オーク)とワーグ(狼)の二軍なんですよね。ワーグどこ行った
・ここは原作通り、三軍が二軍を谷間に誘い込んで有利な展開に運ぶが、からすが丘に陣取ったエルフ軍にボルグの軍が北から迫り、その窮地を打開するのがトーリン…という流れの方が劇的だったのでは?と思ってしまう
・というのも、最初に最強最凶の生物スマウグがおっちんでしまっているので、敵のインフレ化がないんですよね。ここを破った!でも、もっと強い敵が!それがない。なので、五軍の戦いでもっとも劇的なのはエルフとドワーフが手を組む瞬間であり、実際にダイン軍と森のエルフ軍では絵面でそれを見せているわけです。だとすれば、もうひとつ劇的なのは終始顔を見合わせればいがみ合っていたスランドゥイルとトーリンが手を組む(トーリンがスランドゥイルを助ける)という展開こそ見せるべきカタルシスだったのではと思うのに、そこをぐぐぐっと展開を変えていたところはちょっと釈然としません
・アザヌルビザールで死んでいるはずのアゾグが死んでおらず、ボルグ親子ともども今回の敵の頭になるわけですが、そのボルグをレゴラスにやらせてしまったのもなー!いや、レゴちん大好きですよわたし。っていうかLotRに出てきたキャラは5割増しで贔屓にしている。ボルグを原作どおりビヨルンさんが「ぷちっ」って踏みつぶすっていうのはそれはないにしても、どっちかがからすが丘ではなく谷間に残っていて、スランドゥイルなりドワーフ皆様のあの手この手なりで倒してもらったほうがまだしもではと思わないではない

・そしてフィーリよ…おお、フィーリよ
・原作でトーリンと、その甥であるフィーリとキーリが戦死するというのはわかっていたことで、そしてPJはこの原作での生き死にをいじったことはLotRの三部作含めてない(死なないキャラを死なせたり、死ぬキャラを生かしたりというようなことをしない)以上、そうなるんだろうなと思ってましたが、ちょっとあれではあんまりではないか?とおもいました私
・叔父の盾になってというのが無理にしても(いやでもその機会山ほどあったろうと思うんだけど)もうちょっとなんか…あるだろう!って言うか誰か悼んでやって彼を!っていうね!「フィーリの死を悼んでやってもいいんじゃない会」とかあったら光の速さで入会するよ
・キーリが叔父ではなくタウリエルをかばって…というのも相当早い段階で噂が出てたんですよね-。なのでこっちは「あっ、やっぱりか」と思いつつも、しかしそれがいいシーンになってたかというとそうでもないってあたりが哀しい。
・タウリエルが出てきたことによって分断されたところが最終的にことごとくうまくはまってないっていう印象なんですよ。キーリたちをエスガロスに残したのもそう、それによってレゴラスの動きが変則的なのもそう(だってあの2人がグンダバトに行った意味って…)
・エスガロスでタウリエルがスランドゥイルに諌言するけど、ここでも「彼女を殺すなら…」が来てレゴちん!もう、わかった!わかったから!ってなりましたしそのあとのスラ様どうしたのさああああそこを教えてええええ
・つーかエスガロスに来た時のスラパパがいろいろ無双で面白かった。ヘラジカの角をあんなふうに活用するのってありなのか。さすがレゴラスのパパである。あとヘラジカから投げ出されたあとのポーズがキマりすぎててかっこよすぎて笑いました。笑いました
・最終的に「大鷲がきた!」になるんですけど、この戦局とアゾグvsトーリンが完全に分断されたことによっていつこの戦いが終局したのかまったくわからないという最大の難点が
・アゾグとトーリンは一騎打ちにしたかったんだろうと思うし、それはそれでいいとして、だとしたら戦局を左右する存在はもうひとり(ボルグとか)を戦場に残して、それをリンクさせたほうがよかったんじゃないかと思っちゃうんだよなあ
・そしてビヨルン参戦がどれぐらいの効果を発揮したのかもいまいちわからずじまいであった

・アゾグvsトーリンはまさかの氷上決戦という展開で、つるんつるんしてるふたりを「かわいい」という方向でしか処理できず本当にすまんことをした
・この2人の対決はそれはそれで見応えあったので文句なしです。肉を切らせて骨を断つ、みたいな相討ちだったのもそれはそれでヨシ
・そしてここは絶対こう変えるだろう!と思っていたしやっぱりそうか!ってなりましたけどトーリンの今際の際を見守るのはビルボだった。ありがとうPJありがとう
・ここは全部の台詞が満点。言うことなし。「やさしい西のくにのけなげな子よ」がなかったけどいいです。「本が待ってる」ってトーリンが言った瞬間もんのすごい勢いで泣いてびっくりした。自分が。ひじかけ椅子、どんぐりを植えて…ああ、うまい、ほんと、こういうところのうまさは脱帽するしかない
・しかもそのあとのビルボ@マーティンの芝居ね!逝っちゃだめだ、ほら、大鷲がきましたよ…ギャーーー!!!やめて!!!涙腺にドカドカ蹴りを入れるのはやめて!!!

・スランドゥイルは何用あってからすが丘まで来たんでしょうか。息子を捜しに?あそこで北へ行け、ドゥネダインの若者をさがせ…っていうシーンは完全にファンサービスですねありがとうございます。でもエステルちゃん今まだエルロンドさまんとこでかくまわれてるんじゃ?なんて、こまけーこた言いっこなしだよ!
・絶対にあるだろうと思ってなかったのがトーリンの埋葬だよね。バルドがアーケン石をトーリンの胸に置き、オルクリストをスランドゥイルが置くっていう展開、ないわけない!と思っていたのでびっくりした。これもEEでしょうか。
・余談ですが、初回IMAXを見た時にとなりの二人連れが映画館が明るくなった瞬間に顔をみあわせて「埋葬…!」「なかった…!」つってたのでその話にちょう加わりたかったです
・あのドワーフとの別れの場面はとにかくマーティンの芝居がすばらしい。っていうかビルボのシーンはやっぱりどれもこれもいい。お茶は4時、ノックはいらない…あのシーンも秒速で泣ける
・バーリンと今後の話したりするかなーと思ったけどなかったですね。最後に訪ねてくるっていうのはまあないにしても、モリアの単語が出てきたりするのかなって。それはそれで哀しいけどさ…
・そしてあのLotRの冒頭へつなげるラストカット。ず る い 。
・フェイドアウトしていくけど、あのあと「お茶にしますか?それとももっと強いやつを?」って聞くんだよなー、でもってガン爺は梁に頭をぶつけるんだよな…とか考えたら旅の仲間を見返したくないわけがあろうか!いやない!
・そして三部作の最後を飾るのがビリー・ボイドの歌っていう。これもずるい。いやしかし主題歌っいう点ではホビットLotRともにチョイスにはずれがなかったなあという印象です。

上映時間2時間24分なんですかね、すごく短く感じます。体感としてはほんとあっという間です、なにしろイベントに続くイベントなので。しかし、やっぱり当初の構想通り二部作でもよかったのかなあと思わないでもない。とはいえ、まだまだ見たかったカットもあるんですよねー、ビルボとスランドゥイルの交流がまったくなかったのすごく残念。っていうかスラパパの欲しがってたラスガレンの白い宝石、第一部のEEにしか出てこないから、ほんとにただの強欲エルフに見えているのでは…?って心配になったヨ…

EEといえば表門での会話でスラインの話してるとこあるのかな。第二部のEEみたらめっちゃスライン出てて、しかもこれよく「ないテイで」劇場版にしてるなってびっくりした!びっくりしたのよ!びっくりするからみんなも見たらいいよ!

第二部はドワーフたちそれぞれのキャラもすごく立ってて、全員そろってエレボールで大暴れ、的なシーンがありましたが、第三部になるとエルフと人間の物語に話が移行していくので、一言も台詞を発していないキャラもいたよなーと思うとそこもちょっと残念ですね。

しかしまあともあれ、幕引きまで無事におわっておつかれさまでした、かな。なんだかんだこのビッグプロジェクトを最後まで引っ張って形にした製作陣の底力はすごいと思います。まだEEあるけど、ともかく「いきてかえりし物語」無事完結、おつかれさまでした!