「地上最後の刑事」

地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

これ、帯の惹句がいいんですよね。

半年後、小惑星と地球が衝突し、世界は終わる。
しかし、新人刑事は捜査をやめない。

この惹句を見たときに期待したような物語とはちょっと違ったものの、「あと半年後で終わる世界」でありながらむしろ真っ当な警察小説でした。しかし当然この設定が活かされていないわけではなく、この「プレ・アポカリプス」小説はなんと3部作の予定らしい。この一回こっきりしか使えないような設定で3部作を描く、というあたりでもこの小説の雰囲気を察して頂けるのではないでしょうか。

ラストシーンの主人公の佇まいがすごくよかったなー。世界の終末を自分はどのように迎えるのか、ということも自然と考えてしまうところが面白かったです。