百舌の鳴く夜はおそろしい

そりゃ鵺だよ(セルフツッコミ)。
TBS×WOWOWの「MOZU」、TBS放送の第一部本日終了。いやー、第1回をたまたま見て、ぎょーんナニコレオモシロイ、と毎週毎週ほんと木曜9時がわしゃ楽しみで楽しみで…!個人的に月〜金でもっともしんどさのピークがくるのが木曜日なので、そこをMOZUのおかげで乗り切った的なとこあった、あったと思います。

見てると「そんなまさか!」とか「おいおいおい!」とかツッコミたくなっちゃうとこたくさんあるんだけど、そんなことをものともしない物量作戦、なんの物量かといわれてもよくわかんないんですが、なにしろトゥーマッチでしたいろんなものが。そしてそれがたまらなく私のツボでした。

原作が逢坂剛さんの「百舌の叫ぶ夜」なので、どうしようもない着地には絶対ならないという安心感もあったし、なんというか遠慮会釈のない画面作りをしてるよなあと思うところがたくさんあって、それが居心地よく思えたところだったのかなあと思います。ビクビクしてない感じというのか、それはWOWOWとの共同制作だというのが大きいと思うんですけど(スポンサーの問題で)。

登場人物がおもしろいほど煙草をふかすシーンが多く、案の定喫煙シーンの影響が…的なバッシングもあったかに仄聞していますが、しかしあれですね、あの第6話、新谷がダークナイトヒース・レジャーよろしく看護婦姿で殺しまくる1時間、喫煙シーンに文句は言うならそっちのほうがもっとダメだろと思うんですけど、世論というのは不思議です。そういえば村上春樹さんでしたっけ、動物が殺されるシーンを書くと苦情がくる、人間が殺されるシーンを書いても苦情がきたことはないのに、って仰ってたのは。

個人的に前半戦は吉田鋼太郎さん演じる中神の変態悪党ぶりがもうステキでステキで、あのアーケードの上での西島さんとの攻防とかたまんなかったですね。そして長谷川さん演じる東のトゥーマッチぶり。正直長谷川さんがあんなパワープレイヤーだとは、恐れ入りましたでございます。池松くんの新谷兄妹、いやあれで「女とは思わなかった」って公安ちょっとどうかしてる(どう見ても女装ですしおすし)、とか思いましたが、キレッキレの殺人マシーン、堪能しました。あとわたしは記憶喪失の殺人者、というやつが好きすぎだ、ということにこの年になってようやく気がつきました。遅い。

終盤になればなるほど生瀬vs小日向の構図が多く、ああなにこのいい声パラダイス…!みたいな気分も味わいましたし、ただの理解ある上司ってだけで生瀬さん配置するわけねえよなあ!?って思ってた通り、いや以上でした。なんなの後半の生瀬無双。最高だよアンタ。

このあとセカンドシーズンがWOWOWで、ということですが地上波と同じテンションで見られるかどうかはともかく、ハッタリとケレンに満ちた芝居巧者たちのやらずぶったくりぶりがまた拝めたらいいなあと楽しみにしております!