「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」


東京国際映画祭特別招待作品としていち早く拝見してきました!日本公開は来年2月28日です。なんでこの映画を見たかったかっていうと、今年の5月頃に毎日MojoでBOX OFFICEのチェックをしていたんですが(それもこれもウィンターソルジャーのせい)、その時にいっつもランキングに残ってる映画があるな〜って気になってたんですよね。当初6館で限定公開、その後最終的に約1300館まで拡大公開したという。「アイアンマン」のジョン・ファヴローが監督。

超一流の腕も自負もあるシェフ、カールがオーナーとグルメ評論家とのすったもんだの末に職を失ってしまうが、心機一転、彼が始めたのは屋台のフードトラックの店だった!という筋書き。とにかく、料理のシーンがいちいち魅力的でおいしそうで、ほんっと見た後「絶対うまいもん食いたい!」と思わせる映画です。あの、チーズトーストの、魔力…!

キャストもすばらしくて、何しろひとり息子のパーシーがほんとマジちょう天使だし、マーティン役のジョン・レグイザモがまたいいんだ!!でもって騒動のきっかけになるグルメ評論家をオリバー・プラットがやっていて、ぎゃーん!ってなりました。好き!ロバート・ダウニー・Jrがワンシーン出演しているんですけど、いやーもうこのシーンがおかしいおかしい。どこかちょっとトニー・スターク風のキャラでもあり(いやトニーの方がまともか…)映画館でもどっかんどっかんウケてました。

フードトラックに乗って旅をする間の、その土地土地でのシーンを見ていて、当たり前だけれど「アメリカ」ってひとことで言ってもその土地にはその土地の「食」ってものがあって、肉の焼き方ひとつでも全然ちがったりして、そういう生活に根ざした食のシーンが積み重ねられていくのがすごくよかった。

もうひとつ特筆すべきなのはこの映画におけるSNSの描写のうまさ!観客が今まさにどっぷり浸かっている(であろう)SNSの感覚とここまでズレがない(遅れてない)ってすばらしいよ。それがちゃんと親子の会話の糸口になってるのもいいし、カールが「やっちまう」あたりで観客も「あっ…(それまずい)」みたいになるのがね、いいんですよね。

あと、これは途中から「ラストあたりでおれのツボをドカ蹴りする展開くる予感…」と思ったらほんとにそうなって、予想はしていてもそのドカ蹴りにびーびー泣いてしまったわけですけれども、うん、あれはね、もうしょうがない。

わかりやすい劇的な出来事とか、とってつけたような悲劇とか、絵に描いたような悪人とか、そんなことがなくっても日常にドラマはあるし、こんなに豊かな物語になるんだなーって実感しました。

公開前なのであんまり突っ込んだ感想を書きづらいですけど、ほんと見ていて楽しく、映画館でも笑いが絶えず、最後は拍手喝采で終わったといったらちょっと雰囲気伝わるのかな?とってもおすすめです。あと、エンドロールにメイキングが1シーンあるんだけど、それは絶対見てから席を立ってください!