「五右衛門vs轟天」、無事大千秋楽!

劇団新感線35周年オールスターチャンピオン祭り「五右衛門vs轟天」、本日9月3日めでたく無事大千秋楽!おめでとう!ありがとう!おめでとう!5月に大阪で開幕したのが夏の初め、そして今は夏の終わり。全80公演、スケジュールを見た時には「…長い。」といろんな意味で汗が流れましたが、全員欠けることなく完走、それだけを切に願っておりましたよ。

やっぱり30周年のときに、同じく轟天で、ほんとにいろいろあって、劇団も劇団員もボロボロになりつつのゴールで、今回劇中で成志さんのアキレス腱ネタあったけど、いやもうそれシャレになんないですからぁ!と顔がひきつってしまうほどに、劇団側だけじゃなくファンもこの日をなにより喜んでいると思います。

私は大阪の初日あけて2日目か3日目かに1回、大阪の後半でもう1回、東京で1回と計3回拝見しました。あんまりネタがばれてもなあ〜、また折りを見てメモ書きあげるかなあ〜などとのんきに考えていたのですが、もうね、大阪の2回目も東京も、観れば観たぶんだけガハハハと笑い、そして笑った分だけ忘れていくというネタものの真髄ともいうべき観劇後の感覚を忘れてましたよ。いやもう、東京で見た時に成志さんのギャグで顔が痛くなるほど笑ったのに、劇場出た時にはそのネタを忘れているという。すごい、劇場を出る頃には何を観たか忘れてるぐらいが理想とかつて語られた、その感覚を体現しておる。

とはいえ、冒頭から劇団員それぞれに名乗りの場面があってアガるとか、成志&賢人の東方で神起な人たちの出のときのウッドベースまがいがそこに隙あらばネタを入れる精神満開だとか、マッサン見てなかったから轟天のマッサン推しについていけなかったとか、ブラーヴォ、ブラーヴォ、シアターブラーブァとかマジ細かいくすぐり乙とか、安土桃山を中島かずきに聞き間違えるネタが私のツボにクリーンヒットだったとか、ビックリドッキリメカの無駄遣い感、これぞチャンピオン祭り!とか、ビリー・エリオット見た時にSolidarityって「それなりに」に空耳しちゃうなと思っていたらまんまとそのネタだったとか、粟根さんああいう髪型するとマジで木野花さんに生き写しだとか(木野さん生きてます)、ばってん不知火の電撃自分にくらっちゃうやつはわかって観てても笑っちゃうとか、それ以前に御年50超えた成志さんをあそこまでこき使うのSUGOSUGUIだとか、そういえばボヘミアンラプソディのパロをゴロおま3でやってたよねなついとか、パーマの失敗した中学生であるところのオカマの憲兵さんおもしろすぎるとか、風魔ワンダー4で村木ねえさんとカナコさんが歌うシーンでちょっと泣いたとか、だってやっぱこの二人が歌った時の「ザ・新感線」感ハンパないんだもん!とか、ウ、ウマシカーーー!とか、

(息継ぎ)

五右衛門とマローネが入れ替わる「おれがあいつであいつがおれで」展開はやっぱりあのネタもの最高傑作の呼び声高い轟天2のいずみちゃんオマージュってこともあるのかしらとか、ふたりのメイク替えの間舞台でしょうもないことを言って繋ぐ成志先輩えらすぎるとか、マローネになった古田が完全に水を得た魚だとか、何がって久しぶりにドセンでがっつりダンス踊ってビシーッって音が出そうなほどキメてる(でも女装)の古田を美味しく頂かないわけないやんとか、突然のジブリ展開だけでなく突然のハイジ展開が見事すぎたとか、鎌+汚いケツ=磯平!兄さ!ってなったときの私の浮き足立ちっぷりとか、いやもうむしろ半分腰浮いてたとか、それだけでなくウマシカの「雑魚だと思ってる連中の力…」て髑髏城オマージュありがとーーー!!!とか、おリカに「バカ!」ってぶっとばされる粟根さんのぶっ飛ばされ芝居が見事すぎて本職…!(なんの)ってなったとか、松雪さんのリカちゃんコスプレとかその筋の人には鼻血もんなんじゃないかとか、女の下着に嫌悪感抱くようになっちゃってもうだめだああってなってる轟天下着をはけるようになるシーンでマジ胸熱になったんだけど冷静に考えたらすごいことで胸熱になってるなとか、ばってん不知火の「手段のためには目的を選ばない」ってあとから思うとなかなかすげえ台詞だとか、でもってセイント死神の黒ずくめからのバッサー!白シャツ!はいごちそうさまーー!とか、

とか、とか、いろいろと頭に思い浮かんではすぐに消えていくGVGのいろんな場面。舞台は終われば何も残さずに消えていく。それがすばらしい。お芝居すきでよかったなーとおもう瞬間だよね。

それにしても、五右衛門の登場シーン、山車に乗って、煙管ふかして、ただ睥睨しているだけなのに、古田新太の千両役者感がハンパなかった。ヨッ、日本一!って声かけたくなったもの。あれなんなんだろうね。でもって、その古田と入れ替わるというすごいポジションに置かれた聖子さんの器のデカさよ。二幕の最初の聖子さんの出がさ、ほとんど天狗侍(衣装は紅天狗)ふうなんだけど、もう観客の期待感すごいもの。ともすれば顔見せで歓声飛んでおかしくない雰囲気だもの。こんな女優いねえわ!

最後は轟天と共に現代に来た五右衛門と、両者名乗りになるんだけど、それこそ「キターーーー!」感満載の五右衛門の名乗りのあと、轟天の「コォ〜〜〜〜。コォ〜〜〜〜〜。コォ〜〜〜〜〜〜。轟天!」っていうのが、あれが、ほんと、めっちゃ笑い泣きなんですよ。マジで最高の名乗り、これしかない!という名乗りだとおもう、私の中での最高の名場面!!

「おれはね、もうよくやったと思う!」と劇中自分で述懐してしまう、そして多分それに異論のある者はこの中にはいない!な成志さん(ほんと、最初見た時これ成志さんしんじゃう…!て思ったもんね)、出てくるたびに衣装かヅラかなんかが違う、今回はたっぷり歌って踊っております!な粟根さんもたくさん見られて幸せだったなー。ほんと、劇団員それぞれに各所で名乗りのシーンがあったのがうれしかったよね。

そうそう、今回は二幕の居酒屋シーンでの通りすがりも話題になりましたね。個人的にはのぴゃが来たというニュースにいちばんひっくり返った気がします。わたし3回見て2回通りすがられたのでなかなか高確率でしょうか。大阪で鉄腕イワンこと三宅弘城さん、東京で猫の目お銀こと蒼井優ちゃん。三宅さんは「轟天2で呼ばれて、アオドクロで呼ばれて、次なかなか呼ばれないなーと思ったら3回目(言わずとしれた鋼鉄番長)がひどい呼ばれ方だった」「轟天2の時はまだ稽古が大阪だったので、ホームシックになった三宅さんに劇団員から励ましのFAXがきて感激して泣いちゃった」「酔っぱらった村木よし子ねえさんに『自分、なんか華ないねんなー!わかった!手足が短いんや!』と言われおちこんだ」ことなどを話していかれました。頭のもけもけからロケット出すのちょうかわういかったよー。蒼井優ちゃんはとある曲のあと毎回袖でぶっ倒れてたとか、1回本番中に歌詞がすっ飛んでとっさにマイクトラブルを装って「自分じゃない」テイを貫いたとかなかなかに黒い一面を披露していかれました。いいんじゃない、35周年!

30周年のときの大千秋楽のあとに書いた自分のblog見たら、

30周年、最後のネタものかも、それをいのうえさんの故郷で、嘉穂劇場で、ってそんなの行くしかないじゃんよ、そう思って日程が発表になったときから遠征を決めていましたけど、でもあれだな、古田さんのパンフの言葉じゃないけど、そんな何もかものお膳立てが揃った「アガリ」になっちゃわなかったことには意味がきっとあるんだろうなと思います。

って書いてて、ほんとにそうだねって、あのとき何もかもお膳立てが揃ったアガリになってたら、この35周年はもしかしてなかったかも、こういうの人間万事塞翁が馬っていうの?ちがうの?もとい、この劇団とも、えーっと、とっさに計算できない、35年のうち少なくとも25年にわたるお付き合いですが、これからもとことんバカで、とことんくだらなく、とことんかっこよくいてください!わたしもまだまだ追いかけるぜ!いいんじゃない、35周年!つぎは、40周年だー!