2015年のベスト

あけましておめでとうございます。ようやく年内に観た芝居の感想を書き終わったので恒例の昨年のベスト。去年のフォーマットにのっとってベスト5本、印象に残っている場面3つ、よかったと思う役者3人をあげたいとおもいます。そういえば、恒例の空中キャンプさんの映画ふりかえる企画は今年はお休みなんでしょうか…?
2015年の観劇本数43本(リピート含まず)。減った!減ったが、ある作品を鬼リピしたことを考えると回数的には減ってないのかもしれない…

  • 2015年に観劇した芝居でよかったもの5本(観た順)

「黒塚」木ノ下歌舞伎
「ウィンズロウ・ボーイ」
阿弖流為」歌舞伎NEXT
「グッド・バイ」KERA・MAP#006
「HEADS UP!」

  • 選んだ芝居のなかで、印象に残っている場面3つ

「黒塚」で武谷公雄さん演じる老婆が「一面の薄」(この見せ方もすばらしい)の中踊るシーン。そしてあの影を引きずるように暗闇に消えていく幕切れ。鮮烈。
「HEADS UP!」で、橋本じゅんさん演じる大道具の久米さんが、コヤから帰るときに「客席から帰るのが好きなんだよ」と言って去り際、劇場に向かって一礼して去っていく場面。あれは劇場に思い入れのあるひとにはたまらんものがありました。
あと…「阿弖流為」のぜんぶ。(コラー!)(だって!選べない!)

  • よかったと思う役者3人

「ウィンズロウ・ボーイ」で、弁護士サー・ロバート・モートンを演じた中村まことさん。いやほんとすばらしかった。特に13歳の少年の尋問を行う一幕ラストの畳みかけていく台詞の間合い、その切れ味、滑舌のよさ!ここで休憩時間に入りますが、引きのすごさに「二幕をはやく!はやく見せて!」ってじたばたしました。ウィンズロウ・ボーイは作品のテーマとしても深く心に残るものがあり(特に「こんな事件よりもっと報道すべきものが云々」という誰でもが口にしたことがあるであろう言葉の裏にあるものを考えさせてくれた)、こういう「ザ・演劇」がまだまだ力をもっていることもふくめて印象深い観劇でした。
「グッド・バイ」でキヌ子を演じた小池栄子。わたし、この枠に去年も小池栄子さん選んでます。いやでも選ばざるをえない。この原作を舞台化するに当たってもっとも重要なキャスティングのひとつだったと思いますが、彼女の底知れない魅力がこの舞台全体のトーンを彩っていたといってよく、これこそ好きにならずにいられない、を具現化していたんじゃないかと思います。
ライチ☆光クラブ」で主人公ゼラを演じた中村倫也。ああいう芝居で、エキセントリックに寄りすぎず、かといってカリスマ性は失わず、観ている観客にあのゼラという役に説得力を持たせる芝居作り。声良し、身体のキレ良し、文字通り死角なしなんじゃないか?新感線は早くよばないと!ほかにとられちゃうよ!

  • 番外

上の観劇本数にいわゆる舞台中継というか、シアターライブというか、ビリー・エリオットとNTLのリア王は入れていないんですけど、これをもし観劇本数として含めたらベスト5に2本とも食い込む、というぐらいよかったです。これからはこういう形態もどんどんふえてくるのかなー。NTLは今年のラインナップに「夜中に犬に起こった奇妙な事件」をピックアップしてくれているので、上演期間が短いのでなかなか思うように見にいけないつらさはあるんですけど、がんばって足を運びたいなと思っております。

  • ひとこと

まあ、2015年は私にとって阿弖流為の年でした。観劇回数8回。私からしたら(今までの最高が4回なので)破格のリピート回数です。基本的に同じものを何度も見るよりは、違うものを見たいと思うタイプなんですけど、でも阿弖流為はやめられなかった。もうさんざっぱらこのブログで書き散らかしましたが、なによりあのかっこよさ、かっこよさにすべてを尽くす役者の潔さ、それを支える力量に酔いに酔いまくった芝居でした。シネマ歌舞伎での上映がすでに発表されてますが、映像だとどんなふうになってるんでしょうね…!がんばって通いたい!(通うんかい!)