「TOUCHABLES」ホルマリン兄弟

公演直前にツイッターで後藤大王と久保田さんのインタビューが流れてきて「あっこんなのやるのか!」と知った次第。メイシアターとかちょう久しぶりすぎて懐かし死するところでした…学生時代以来じゃないか…

メイシアタープロデュースということで大阪だけの公演だったんですね。遊気舎時代の作品ということでしたが、アル・カポネを捕らえたエリオット・ネス率いる「アンタッチャブル」を登場人物の名前に盛り込んでいってたり、常軌を逸したキャラクターが出てきたり、しかしその常軌も羽曳野の伊藤を見ていると「常軌とは」となってしまうあたりは昔の後藤さんのぎゅうぎゅうにつめこんだ作品ならではの面白さでした。

とはいえ、むちゃくちゃはむちゃくちゃなりの統制がやっぱり必要だというのと、キャストの力量が如実に出るというのか、場をぐいぐい引っ張ってくれる人がいるときとそうでない時の差が激しい。こういうところがプロデュース公演は難しいところでもありますね。

しかし、三上艦長はやはり、こういう役をやらせると破格のかっこよさ。酸いも甘いも噛み分けた、ってのがこんな似合うひとそうそういません。正義よりカネだよ、当たり前だろ?みたいな顔しておいて「仲間を売ったことはいっぺんもねえんだ」だもんなー!なー!でもってその三上さんをぶん回す羽曳野の伊藤のやらずぶったくりさ。あのナレーション手紙のギャグは、以前にも似た形のものを見たことある気がするのだが、何度見ても最高に面白い。後藤さんご自身も出演されてましたが、やっぱり独特の魅力ありまくるよなー。

後藤さんご自身もいろいろ思うところあって、いわゆる「演劇どセンター」でも活動からちょっと引いてらっしゃるところがあるんだと思うんですけど、この方の悪魔的な脚本の妙というのは余人をもって替えがたいところがあるので、「演劇どセンター」での活躍ももっと拝見したいなあと思う次第であります。