「ズートピア」


見てからもうだいぶ時間が経ってしまったんだけど、自分の「見た」記録兼ねてるのでメモ程度に。いっやあああ面白かった!!!先に公開された全米での評価も興収もズバ抜けていたので楽しみにしていましたが、その高いハードルを軽々超えてくる出来。もう言い尽くされてるとは思いますけど、ほんっとーによくできてる!!!

舞台は動物たちの楽園「ズートピア」。その世界では進化した動物たちが肉食も草食もなく共存している。野性?そんな野蛮なものあるわけないじゃないの!

パディントン」の時にも書いたけれど、物語を寓話として読む、つまりこれを深く現実社会とコミットしたものとして読み解くことができるというだけでなく、ちゃんと物語として面白い!それが本当にすばらしい。もちろんこの映画のなかで描かれるように、誰もが「偏見」という二文字から自由ではいられないというような、思わず自分の胸に手を当てて考えてしまうテーマの提示があったりするんだけど、たとえそうでも「物語」という枠の中で楽しませる方向性を最後まで見失ってない。

しかもその物語も、ニックとジュディのバディものとしての面白さ(いがみ合いからスタートしてそれぞれがそれぞれの大事な部分をぐっと押さえてしまう、ってあたり理想のバディもの展開!)、クライムサスペンスとしての面白さ(謎の事件、裏社会、答えに見えていたものが答えではない、意外な黒幕…お手本かヨ!)、そしてもちろんディズニーならではの、ありえないものがありえるファンタスティックなビジュアルの数々!!全方位ぬかりなさすぎてもはやおそろしい!!

ジュディが単なる朝ドラキャラ的なヒロインじゃなく、目的達成のためにはけっこう手段選ばないもんね、な逞しさがあるのもいいし、そしてなんつってもニック…!おおニック。ニック。あなたはどうしてニックなの。いやもうあれ惚れるなっつーほうが難しいんじゃない?ボゴ所長にバッジを返せってジュディが迫られるところでのニックの振るまい、あれ、惚れるなっつーほうが難しいんじゃない?(2回目)絶望と挫折を冷笑と減らず口に隠して日々を乗り切っていこうとする彼の魅力がもうありとあらゆるところで爆発しまくってたよ!

しょっぱなからジュディが両親に「夢を見ることはいいことだ、努力すれば夢は叶うなんて思いさえしなければ」とあれ?これ、夢と魔法のディズニー映画ですよね?みたいなパンチラインが繰り出されるのもすごいし、なにげにラストシーンでジュディがハンドルを握りニックが助手席にいるっていうのも、さりげないけど結構革新的なんじゃないかと思うのよ。マジで完全に攻めまくってるし、それが鼻につくことなく、その世界の当たり前として提示されることのすごさだよなあ!いやもうなんかね、ラストのコンサートのシーンでもうちょっとわけもわからず涙がぽろっとなってしまったもの。もはやディズニー、向かうところ敵なし!