「ザ・コンサルタント」


コンサルタントっていうタイトルなんですけど、劇中でみんな彼のことをアカウンタント(会計士)としか呼ばないし実際会計士だしでなんかタイトルが一瞬思い出せなくなる病。ベン・アフレックが高度機能障害で昼は有能な会計士、夜の顔は…というやつなんだけど、暗殺者としてのワンショットワンキルぶりもめちゃくちゃかっこよかった(あのヘッドショットを決めるときの銃の角度が何とも言えず絶妙)んですが、いちばん興奮したのは実はあの15年分の帳簿に取り掛かるところでした。赤のマーカーと黒のマーカー、数字数字数字。わたし会社の帳簿とか見るのほんっとてんでダメなんで、あなたの能力の100分の1でいいからくだせええええってなった。デイナと数字を介して分かり合うところもよかったし、あのシーンほんと興奮したなー。

しかし、ファーストシーンにものすごくたくさんの情報が詰め込まれている映画で、なんとなくツイッターのTLで明確なバレは踏まないまでも察するところはあったにせよ、わりと終盤うおおおおおいそういうことかい!!!ってなったのですごいです。以下ちょっと展開バレ書きますよ。

回想シーンでずっと弟が出ていて、しかもあの母親が出て行ったときに中指を立てて見せた(ブラインド越しに見えるようにわざわざ!)のも弟で、その弟がたぶん展開に絡んでくる、んだろうなってのは思ってたんですけど、ほんとおまえかーい!になったし、しかも会った後の急速なメロドラマ化がすごくて…すごかったです。なんなの。君なんなの。膝抱えてなんなの。これ見せられてる依頼主に「どんな気持ち?ねえねえ今どんな気持ち?」のAAはよ…って思いましたし、もはや来週会うの会わないのの話のほうに重きを置かれながらの最後のヘッドショットっていう。

しかし、父親のきょうだいに対するふるまいには肯じ得ないものがあるのだけど、そこを描こうとしてないのはなんでだったのかなー。それでも父は息子を愛していたってことなのかもしれないが、うーんしかし。

デイナはいちおうヒロイン、ではあると思うけど、最後にほっとけなくてついてきちゃったからの主人公の危機、みたいな展開一切ないのが逆にすがすがしい。あと捜査局側が彼の正体を暴こうとする展開が若干ストーリーラインに沿わないかなというか、うまくはまってない印象ありました。とはいえJKシモンズはかっこいい。

主人公の周囲に一癖も二癖もあるキャラが残っているので、なんか普通にアンチヒーローものでシリーズ化できそうです。とりあえずお兄ちゃんは弟に来週連絡してやってくれ。