「キングコング 髑髏島の巨神」


ヒドルストンせんぱいがキングコング…なんか不思議な取り合わせ!と思いつつも、いや特に怪獣興味ねえっすから…とスルー予定だったのですが(あなたシン・ゴジラの時もそんなこと言ってなかったでしたっけ)、見た人の評判がいいのと、なんか豪快な映画が見たいような気持だったのが相まって行ってきましたよ。

隊列を組むヘリの空中ショットに「地獄の黙示録だ…」と思ったり、嵐の中に突っ込んでいくところに「ラピュタだ…」と思ったりしつつも、最初からコングを出し惜しみなくバンバン姿を見せていくところが潔くていいな!と思いました。あと生き残るキャラ選定に因果応報律がとられていないため、なんにも悪いことしていない人でもばんばん死ぬ。しかもわりと容赦なく死ぬ(例えばジュラシック・ワールドとかはかなりはっきりとした因果応報律が敷かれてましたよね)。そういう点で誰に災厄が降りかかるか読めないところも面白かったです。とはいえまあトムヒとブリー・ラーソンはさすがに生き残るんだろうと思ってはいたけどね!

ベトナム戦争から抜け出せず敵を見出さないともはや生きていけない、形を変えた復讐を成し遂げないではいられない司令官と、それが司令官の暴走だとわかりながらその道しか見出すことができない先輩兵の行く当てのない感が印象的でした。道連れに自爆しようとしたのに尻尾で薙ぎ払われちゃうとかやるせなかったな…。そしてほんとサミュエル爺さんは!話を聞けよお!

あのガス原でのトムヒせんぱいの日本刀立ち回りは完全にこういう絵欲しさだよね!とかもありましたが(というか基本的に絵力の強さでぐいぐい引っ張るタイプの映画だった)、あのマーロウとグンペイのエピソードのぶっこまれ方がすごくて、正直後半はもうマーロウ死なないで〜とサミュエルじいさんはいっぺんしね!でほぼ感情が支配されていた感。あとコングちょうカッコいい。なんでモーニングスターってあんなテンションあがるんだろ。エンドロール後に大事なおまけあるよって教えてもらっててよかったです。なんだあの煽り方!

あとマーロウは1944年にこの髑髏島にたどり着くんだけど、そのマーロウとボートを直すシーンでジギー・スターダストが流れたの、個人的にめっちゃテンションあがりました。そういえばエンディングにヴェラ・リンのWe’ll Meet Againが流れて、この曲に一方ならぬ思い入れがあるのでうおおってなった。「東京ローズ」でも使われていたけど、やっぱり戦場から帰ってくるひとを描くという点では、この曲はある種の象徴なんだなと改めて。