「五月花形歌舞伎 昼の部」

  • 松竹座 1階右列6番

勘九郎七之助兄弟に猿之助さまががっつり絡む!見に行かないでか〜!ということで昼夜通し。
まず「戻駕色相肩」。勘九郎さん、歌昇さん、児太郎さんで駕籠かきと禿ののほほんとした雰囲気…と思わせておいて最後に実は、な展開が入るところがすごい。勘九郎さんは実は、で石川五右衛門の姿になるんだけど、ぐーーっと大きく見えて素敵でした。今回1階の右列(歌舞伎座でいうところの桟敷)だったので、足元がよく見えて嬉しかったな…やっぱ舞踊は足元が見えないと楽しさ半減だとおもうの…!

「金幣猿島郡」。三代猿之助四十八撰、猿之助さんの宙乗りがみられますよー(つい先日無事宙乗り1000回の記録達成!おめでとうございます)。猿之助さんは名前も知らぬ男に恋をして、会えないつらさに泣き暮らすあまり盲目となり、この世に何の望みもないと将門の妹である七綾姫の身代わりとなろうとするんだけど、急転直下の展開で目が見える!しかも恋した男が目の前に!さらに七綾姫はそいつと言い交わした仲!これで身代わりとか冗談じゃねー!と「恋しさあまって憎さ百倍」のパターンになる役と、逆に七綾姫に入れ込むあまり鬼となる男の二役を演じていらっしゃいます。

いやはや、しかし、清姫のあの心変わりの場面、変わり身の早さに観客もちょっと笑っちゃってるし、猿之助さんも若干それを煽るようなお芝居をされてるところもあるんだけど、すごいのはどれだけ客席の空気がふわっとしても「恨みはらさで…」でもう、音がしそうなほどに観客を、劇場を飲み込んでいくところ!ほんっと、ねじ伏せるよね…!あたし、ねじ伏せられるの、だぁい好き!(目がハート)
やっぱり猿之助さんの瞬発力というか、一瞬で空気を変えていくのってすごいと思うし、やっぱりちょっと勘三郎さんを彷彿とさせるんですよね…。だから勘三郎さんが猿之助さんのことを「すごい」そして「俺に似てる」とおっしゃったのもわかる気がするな〜と思ったり。

勘九郎さんと七之助さんのカップルぶりもすごくほほえま〜だったんですけど、あの花道の船の上での口移し、ああいうのはなんかニマニマしながら見ちゃいますね(それじゃエロ親父だよ)。あと、今回勘九郎さん頼光だったじゃないですか。猿之助さんが蜘蛛絲梓弦をやったときも勘九郎さん、源頼光だったよね…あの四天王従えた姿ちょう好きだったわ…とかいうことまで思い出して、勘九郎さんのお姿にときめきまくりました。あと、双面道成寺猿之助さんの三ツ面の踊りを真横で観ている勘九郎さんの顔がなんつーか「あーーーー踊りてエ!」って顔に見えて、んもー踊っちゃえヨー!と心中思った私である。勘九郎さんと猿之助さんでがっつりの舞踊見たい。見たいの見たいの!(願望は口に出していくタイプ)