「リア王」子供のためのシェイクスピア

  • グランシップ中ホール大地 1階12列31番
  • 構成・演出 山崎清

この「リア王」は「子供のためのシェイクスピア」シリーズスタート当初である1997年に初演、2000年に再演されているんですが、私がこのシリーズを最初に見たのが2001年からでギリッギリ逃しているという、芝居好きにはいちばんくやしいパターンで、しかも初演から間もなく再演されていることからもわかるとおり、評価もすごく高かったので、再演の暁にはぜったい!と思っていたのですが…んまー今年の8月のスケジュールがキッツキツで!最初はもう無理かと諦めかけましたが、スケジュールをせっせとやりくりして静岡まで行ってきました。

一昨年のロミジュリも今回のリア王も休憩がなかったんですよねー。子供のための、なのでいつも2時間強の上演時間で10分ぐらい休憩を入れるのが恒例だったのですが。このカンパニーは悲劇をやるときのほうがよりソリッドさが際立つと思ってるんですけど、以前「マクベス」の時にもちらっと思ったんですが、ちょっと子供のための、の視点が定まっていないような感じを受けました。

リア王のような長尺ものを2時間15分でやりきるにはもちろん大胆なカットと構成が必要になりますが、うまく要素をとりこぼさずに観客に世界を把握させていくあたりの伝え方はさすがにうまい。欲を言えばもう少しこのカンパニーならではの大胆な構成を見たかった気もしますが、なにしろリア王は構成要素が多くて複雑なので、あまり思い切り過ぎちゃうとレールを外れちゃう、というのがあるのかもなーと思いつつ。

NTLで拝見した「リア王」がほんとにすごくよくて、王道の良さもわかるだけに「あっこの台詞はもっとじっくり聞きたかった…」みたいなところもあり、そのあたりは痛しかゆしというところでしょうか。

しかし、伊沢磨紀さんが出演されていないのが気になりました。私が見始めてから毎回必ずキャストに名を連ねていらっしゃったので、不在が大きく感じられちゃいましたね。次回公演には復帰してくださるといいのですが!