「グレイテスト・ショーマン」

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マイケル・グレイシー監督。全米公開当初は批評家の評価のも芳しくなくオープニングこそ伸び悩んだようですが、そこから驚異の粘り腰で公開から3か月経った今日現在でもベスト10に居続けるという快挙!歴代興行収入でも、ミュージカルにおいてはシカゴに引き続き第4位ですって。文字通り観客の口コミでここまで支持されてきたという感じ。日本では2月16日に公開、こちらも絶好調で大ヒット。日本はほんとミュージカル映画の食いつきが良いよねえ。

19世紀の実在の興行師、P.T.バーナムを描いた映画で、いわゆる「マイノリティ」に光を当てた人物として描くも、一皮むけば「マイノリティ」を搾取した人物という見方ももちろん成立するわけで、どこかで引っかかっちゃったらポジティブな感想につながりにくい部分はあるのかなーと思いました。展開がどんどこどんどこ歌ってるうちに進んでいくので、物語としての書きぶりに納得がいかない人もいるかもですが、しかし個人的にはそこが非常によかったとも思っています。バーナム自身の成功への飢えとそれによって切り捨てられたものがあって、ただ最後までバーナムが「本当の意味でのしっぺ返し」に合わないというのはまあ映画ならではだよなと思いましたし、逆にこのテーマでしんねりむっつりやられてたら多分楽曲とダンスの魔法が消え失せてしまっていただろうとも思います。

バシッときまったヒュー・ジャックマンのオープニングから「魔法にかける気」満々のスタートで、その後も出てくる曲出てくる曲みんないい!しかも、その楽曲の見せ方がまた輪をかけていい!シーツの波にかこまれるA million dreams、酒場でのトリッキーなやりとりも含めて最高に魅せるThe other side、リンドの孤独が響くnever enough、そしてこの映画を象徴する圧倒的なアンセムTHIS IS MEと、いっぺん映画を見ただけでしかも楽曲を覚えないことに鬼ほど定評のあるわたしでもあっという間に虜にされちゃう音楽と演出の強さ!これは何度でも観たくなっちゃうやつですわ~リピーター増えるのわかるわ~!

個人的にはこうしたマイノリティを引き連れた興行師の物語ってことでどうしても「じゃばら」でも描かれたトム・ノーマンのことを思い出してしまいました。映画ではひどい悪人扱いだけど、実際にはジョゼフ・メリックは興行主のことをいちども悪く言ったことはなかったという…って、何を見てもじゃばらを思い出すマンで申し訳ないが(そんなに好きか)(そんなに好きなんだよ!)、いやーやっぱり再演!再演しようよ!(話がそれた)

ヒュー・ジャックマン人間力がこの映画の魔法の大きな推進力になっているのは疑いないですし、フィリップをやったザック・エフロンがねー!もう!なにあのかわいさ!ゼンデイヤちゃんとのナイスカップルぶり!あの二人のナンバーも最高によかったな…。リンドを演じてたのがレベッカ・ファーガソンでほんとなんなんでしょうかあの美しさ。ヒューさまとの絵になりっぷり…。いやはやほんとに思いのほかというか、うきうきと楽しんで観られた映画でした。というかやっぱり中毒性が高い。もう1回見にいくかどうかめちゃ悩んでます。そしてもう1回見に行ったら後戻りできなくなる予感がする…。