宝塚月組「カンパニー/BADDY-悪党(ヤツ)は月からやって来る-」千秋楽ライブビューイング

最初にお断りしておくと、私は芝居は観るけれど宝塚にちと縁遠い(観たことがないわけではないけれど全然詳しくない)という状態、全然詳しくないどころかいわゆる「ミリしら」な状態でして、それでなんでこのライビュに足を運ぼうかと思ったかというと友人の書いたこのレビューを読んだからです。
d.hatena.ne.jp
すごい。ツイートした時も書いたけどこんなにシアターゴアーを「行きたい気にさせる」レビューってあるでしょうか。千秋楽ライビュのチケットまだ売ってます!というのもその友人から教えていただいたのでした。というわけでミリしら状態のまんまライビュにお邪魔した感想のメモ書きでございます!

  • 「カンパニー」。白鳥の湖でスタートしたのでバレエものなのねと思ってるといきなり通勤電車風景になるという急展開
  • スーツにリュックってスタイルというサラリーマンあるある…!リアリティ!
  • 企業後援のスポーツ選手の突然の妊娠出産、企業後援のバレエ団の窮状、CM起用タレントとのあれやこれや…り、リアリティ…カンパニー(会社)というタイトル文字通りやった…すごい宝塚こんなリアルリーマンものもやるのか…という驚き
  • バレエ団の公演での企業窓口みたいな立場に追いやられる主人公。読めた!これはなんか人手不足で急遽彼がバレエの猛特訓をしてステージにという展開に…ならねーー!!!ならなかった!!!さすが舞台畑の筋書でそんなご都合展開許すわけなくてよ的な!
  • それにしても出てくる人出てくる人みんな…ひざ下…なが…ながすぎる!本当に脚が長い人って膝下が長いよね(私調べ)。途中でCMに起用されているタレントが歌い踊るみたいな場面があるんだけど全員そろいもそろって膝下長い。ってどこを見ているんだお前は
  • よくある展開っぽいのに(電車で助けてくれた人を好きになるみたいなテンプレあるし)、ところどころ「そうくるー!?」みたいなところがあるのが面白かったです
  • 「新解釈白鳥の湖」に「わかるわかるマシュー・ボーンスワンレイク的なことでしょ」と思ってしまって申し訳なかった
  • 言って見ればバクステものでもあるので、初日の成功で終わるかと思いきや千秋楽前の無謀なチャレンジと残り1幕の代役みたいなところにもってくるのもすげえと思いました
  • あそこでもう1回「まさか主人公がこれでステージに!?」と一瞬思ったけど(だってバレエのレッスンしてたし)、微塵もそんな展開にならないので本当清々しい
  • 「BUDDY」。「わるいこと」がなーんにもない滅菌消毒された世界に悪党がやってくる、って筋書がまずめちゃくちゃうまいなと思いました。いかようなサブテキストもそこから読み取ろうと思えば取れる、でもそれを読み取らなくても世界観として成立しているっていう
  • グッディめっちゃかわいいな…と思いつつその名前マグニフィセント7のイーサン・ホーク思い出すやつー!ってなっててごめん
  • バッディの登場シーン、これ絶対好きなやつですやん!音がしそうなほどキメたトップスターがグラサンにくわえタバコ…拝む…
  • しかも!これバッディ一味全員がくわえタバコで踊りまくるっていう、このご時世にこんなものを見せていただいてーー!!!ありがとうございますーー!!とくわえタバコが死ぬほど好きな私は悶えました。悶えました。くわえタバコで踊るの、なにがいいって、踊る時ちょっと噛むような感じになるじゃないですかタバコを。そうすると口もとがじゃっかん開くじゃないですか。それ!それが!!
  • エロい!!!(フォント大きくしてまで言いたかったのかい)
  • おまけにシガーキスまでやってくれるとは…マジの尊い案件…
  • あと登場したときから思ってたんですけどリアルマライヒみたいな人がいますよね。みたいなっていうか、あれマライヒでしょ!?そうなんでしょ!?と言いたくなるぐらい、男なのに女性的、いや中性的というかいやでも中性的っていうよりもなんかもっと違うアレ!
  • たぶん二番手の方なんじゃないかと思うます(そんなことも 知らないで すいません)
  • バッディとグッディの駆け引きめいたやりとりよかったな~
  • グッディが自分の中の怒りに目覚めてその感情のほとばしりに生きてることを実感するあのロケット、グッディが最初の振り返ったときの目つきでもう満点出るやつや
  • しかも最後のふたり、知ってる!これ刑事と犯罪者、追う者と追われる者の間に何かが生まれるやつ!うすいほんでみたことある!おれはくわしいんだ!
  • 最後に皆さんが羽根背負って出てくるときに持ってるシャンシャンがなんか、白いもけもけしたやつがついてる?と思ったらタバコを模してたっていうのがわかって思わず心の中で大拍手しました。すごい。かっこいい。
  • しかも最後もトップの方あの羽根にかつグラサンでキメてくださっててひや~~~ありがたや~~~~ってまたもやなった私だ。あのティアドロップ型のサングラスってほんと人によっては大事故になるけどいやはやさすがに最高にお似合いでしたね!

最後の挨拶のときに「いろんなご意見をちょうだいした」みたいなこと仰ってたし、激しく深く愛される作品は同じぐらい反発も生むよなあ~とも思ったりしたけど、最初にも書いたように「どうとでも取れる」という余地をきっちり残して観客に託している姿勢がすごいし、すてきだなと思いました。演劇が提示できるのは回答ではなく疑問だけ、と野田秀樹さんがつい先日仰ってましたっけ!