「ヴェノム」

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スパイダーマンヴィランでお馴染みヴェノムの単独スピンオフ映画。監督はルーベン・フライシャー、主演はトム・ハーディソニーピクチャーズのマーベルキャラクターズユニバースの第1作?なんでしょうか?制作するよんと報じられてからなんだかんだ紆余曲折あった気がしますが無事公開!日本でも公開初週に動員&興収で第1位!おめでとうございます!

新進気鋭、名前の売れた記者・レポーターのエディ・ブロック、恋人は弁護士(with猫)、なにもかも順調…な筈だったのに、ライフ財団の裏の顔をすっぱ抜こうとして干される、恋人にはフラれる(業務メール勝手に開けたんだからこれは当然の報い)、ふんだりけったりなところにライフ財団の女性研究者が「ライフ財団は宇宙から移送してきたシンビオートという生命体を使って人体実験をしている」と助けを求めてきて…という筋書き。

この筋書き部分まではわりと懇切丁寧に描いていて、エディ自身が日常に鬱屈している様子や、彼の小市民ぶり(コンビニ強盗を見ないふりしちゃうけど、街角に立つホームレスには優しい)なんかも短い場面でもよく伝わるので、彼がヴェノムという「力」を得てどう変わるかっていう部分はすごく流れができていると思う。その反面、ライフ財団のほうの書き方がなんつーか、大味きわまれりという感じだったのでちょっとびっくりした。助けを求めてきた女性研究者ほったらかしだしね(そして次のショットじゃ死んでるしね)。シンビオートとの融合がうまくいかないであんなに凄惨な研究を繰り返しているのに、なぜエディは例外?とか、いやまあエディはいいにしても、後半になるにつれあんなくっついたり離れたりして栄養を吸い取られて死ぬ人と俄然平気な人がいるのは、なぜ?とか、あの研究はいったいなんだったんでしょうか。ヴェノムに寄生されていないエディを連れてきて、しかも用なしだとわかったのになぜわざわざ山奥まで連れてって殺す!?みたいなことまで最終的には気になってしまった。

ヴェノムってあのビジュアルからしてもっと内なる悪を呼び覚ます的な存在なのかなと思ったら、お腹を常に空かせている以外はかなりの常識人(人?)だったりして、そうなるとエディとのやりとりが完全に掛け合い漫才というか…夫婦漫才というか…なんしか絶妙にオフビートな会話が繰り広げられるうえに、トムハのなんともいえないファニーさがブレンドされて「ただただかわいいトムハとかわいいヴェノムの珍道中を観ている」感すごかったです。でまたそれが楽しいのでトムハはすごい。最近寡黙なキャラが続いていたのでこういうトーンのトムハを堪能できるという意味でも貴重な映画ですね。ヴェノムが当初の目的(侵略)から地球での共生に転向する理由も「おまえだ、エディ」って言われて、うん?唐突に話変わったな?でもまあトムハだからあるよね!みたいな謎の説得力あった。

ヴェノムはシンビオート界の負け組だったけど、エディと一緒ならなんでできるぜって無敵感出してくるっていうのがほんとかわいい展開すぎる。あと9割9分負けるライオットに立ち向かってバトルになるところ、なるほど確かにごはんですよ感ある…とか思っちゃって申し訳なかった。エディの別れた彼女と今の彼氏のコンビが思いのほかぐいぐいヴェノムに馴染んでるのも面白かったです。

ポストクレジットシーンでカーネイジが出てきたのでおおっと思いつつ、もうひとつはスパイダーヴァースの長めの映像だったので、あっそうきますか!と。しかし気になるのはやっぱりトムホスパイディとの共演が果たして実現するのかどうかっていうところかなー!だってトムホ&トムハでスパイダーマンとヴェノムだよ!夢ふくらむ!