「パディントン2」


ポール・キング監督。1作目がたいへん面白かったので続編も楽しみにしておりました!いやーーほんと、よくできてたね。面白くて泣けてカワイイが盛りだくさんなのはもちろんなんだけど、個人的にはなにより「いやーよくできてる!!!」と思わず唸ってしまいました。

ウィンザーガーデンの住人とすっかり打ち解け、ブラウン一家と仲良く暮らしているパディントン。彼は育ててくれたルーシーおばさんに素敵なプレゼントを贈ろうと、骨董屋で偶然見つけた素晴らしい飛び出す絵本を買うために毎日精を出して働いている。しかし、その絵本にはとんでもない秘密があって…という筋書き。

パディントン1は「他者」を我々はどうやって受け入れるのか?という移民問題の寓話的要素が底辺にありましたが、今回もそのラインは維持しながらも、なによりひとつの謎の本をめぐるしっかりとした冒険譚にしあがっていたという印象です。冒頭で紹介される日々のスケッチのすべてに意味があったーー!!とわかるクライマックスの連打、ほんと見ながらヒザを打ちまくりましたよ。劇中に出てくる小悪党の配置やその活躍ぶりもおさおさ怠りなく、ブラウン一家との気持ちがあやうくすれ違っちゃうところではめちゃくちゃやきもきしたし、あの電話…ほんと思わず泣いちゃったい。

このシリーズはギャグがしっかり笑えるところも大好きなんですけど、それにしても謎のミッションインポッシブル推しはなんなんだっていうか1もそうだったし今回も列車の上でのアクションシーンにめちゃくちゃMIシリーズみがありました。あれがここで出てくるかよというね!小道具の伏線の張り方もホントにうまい。

地元の映画館では吹替えの上映しかなくて(子供むけファミリー層狙いなのかな〜)、吹替えで拝見したんですけど、いやはや古田新太さんはほんとに何でもお出来になるねとため息をつく。お父さん今回もここぞ!というところでめちゃくちゃカッコいい!!最高!!今回、ヒュー・グラントが昔は大スター、今はパッとしない落ち目の俳優という役で出ていて、ひとり屋根裏でハムレットマクベススクルージの衣装を身に着けたマネキンと会話をするというシーンがあり、そこはねー!字幕で!見たかった!斎藤工さんの吹替え全然悪くなかったけども、ヒュー・グラントが演じるハムレット(の一節)とかちょう見たいやん!

このシリーズは悪人は悪人らしくありつつも極悪ではないというか、チャーミングさを喪わずに描いているのがとってもいいし、だからこそあのエンドロールほんと釘付けになっちゃいますよね。欠点があるとすればあれではだれもスタッフロールを読まないというリブート版ゴーストバスターズ問題(クリヘムさんのダンスシーンと共にエンドロールが流れる)くらいでしょと思う。

飛び出す絵本の見せ方の素晴らしさ、それをおばさんに贈りたいと思うパディントンの気持ち、そういうすべてが昇華するラストとってもよい。もちろん泣きました。ファミリー層向け狙いかもしれないけれど大人が見てもめっちゃ楽しいし、そして嬉しい上映時間95分!最高か!