「シャザム!」

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DCユニバース新作、監督はデヴィッド・F・サンドバーグ。全米公開から2週遅れで日本でも公開!よかっぱ。

ビリー・バットソンは幼いころに母と生き別れになり、母への郷愁から里親のもとを脱走する生活を繰り返している。警察車両から情報を盗み出すという事件を起こし、新たな里親のもとへ移されるビリー。ある日、そのグループホームにいる同世代の少年がいじめられているところを見過ごせず加勢する。いじめっ子から逃げて飛び乗った地下鉄は不思議な洞窟に辿り着き…という物語。この世のすべての宝を…じゃないけど、魔術によってこの世のすべての力を(SHAZAMはそれぞれのスーパーパワーの頭文字。Zはゼウスの全能、みたいな)与えられた少年が、その力に戸惑いつつ、スーパーヒーローとしての資質に目覚めていく過程をかなりユーモラスに描いています。

最後の方の展開は知らないで見た方が楽しいと思うので、これからご覧になる方はこの先お気をつけくださいまし。あと、wikipediaも読んじゃだめ(まるっと書いちゃってる)。

先に引っかかったところの話をすると、ビリーが母親と生き別れになる、ってところがちょっと飲み込みづらかった。母親が意思をもって子供を手放したのはそらそうなんだろうなと予想がつきますが、そのあと母親が見つからないっていうのがいまいち説得力を欠く感。ビリーが母親のファーストネームを知らないままに探してるのもよくわからなかった。覚えてないとしても(覚えてないもんかな~)、自分の出生証明には書いてあるのでは?そしてあれだけ冒頭で悪知恵が働くところを見せているのだから、それぐらい探しあてているのでは?この母親への憧憬は物語のかなり後半まで少年ビリーの行動のすべての動機になっているので、そこが飲み込めなかったことはちょっと残念だった感じがします。

あと、少年ビリーと、シャザムとなった彼のキャラクターの違いにちょっと一貫性がなかった感じもあるかなあ。あの姿になってはしゃいじゃう、ってのはわかるとしても、ビリーに戻った瞬間そのはしゃぎっぷりが一切ないし、相互に影響し合ってる感が、特に前半は薄く感じられたな~。あと細かい部分ですけど、Drシヴァナの操る怪物たちの造形と、それが出てきたときの人間側のリアクションがかみ合ってない感もちょっと気になったところです。

ヴィランであるシヴァナの人物造形はまとまっていて飲み込みやすく、「嫉妬」を最後まで自分の裡に飼っているというのもよかった。あと、まさか「心を開き、認めた」というあの魔術師の言葉がこういう戦隊もの展開につながるとは!という、そこは非常に新鮮な驚きがあってよかったです。DCはそれぞれ孤高のキャラクターが多いし、それがもちろん魅力でもあるので、逆にそうきますかー!という展開ですよね。そうそう、劇中でDCキャラについての言及があったり、エンドロールでDCのそれぞれのキャラクターが出てくるのもよかったし、あとポストクレジットシーンも思わずニンマリでした。

マーク・ストロングは敵にしても味方にしても抜群に説得力があるよな…としみじみ。続編も決まっているようだし、かれも再登場するのかな?楽しみです!