「トールキン 旅のはじまり」

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指輪物語」原作者、J.R.R.トールキンの若かりし頃を描いた映画。トールキンニコラス・ホルトが演じています。監督はドメ・カルコスキ。

私にとってこれだけ時間が経ってもやっぱりLotRって特別な映画ですし、この映画を見ていてもさすがにLotRが自分の身体にしみっしみにしみこんでいることを改めて思い知らされた感じがしました。あの頃邦訳されていたトールキンの伝記とか、ほんと手あたり次第読み漁ったので、どのあたりが映画になるのかな?インクリングズは出てくるのかな?と想像してたけど、この映画はキング・エドワード在学時代のT.C.B.Sの仲間たちとの繋がりと、エディスとのエピソードが中心になっていて、インクリングズまでは辿り着かず。確かに、C.S.ルイスが出てくるならキャストも話題にあがるはずですもんね。

若きトールキンの体験することのひとつひとつが、その後の作品に出てくる風景に重なって見える楽しさがありました。給仕の女の子に求婚するやつ、サムとロージーじゃん!とか思いましたよね。劇中でトールキンが語り、夢想する物語のインサートショットも、「あの世界」への呼び水にも感じられ、思わず家に帰ってから旅の仲間を見返しちゃったじゃないかよっていう。

そういう意味では、映画そのものが提示する物語よりも、映画によって匂ってくる指輪の世界のほうに意識が持ってかれがちなところがあったのは否めないっす。エディスとのシーンではあのオペラを見に行けなくて、舞台裏でひっそりとキスをするシーンがよかったな。舞台裏っていうのがまた物語の挟間って感じがして好きでした。

あとエンドロールね!いちいちシェロブ!ゴクリ!バラド=ドゥア!とか喜んでしまってすまない。いやもうこれはたぶんどうしようもない。病気です!