「アナと雪の女王2」

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※ネタバレしてるよ!※

エンドロールを見ながら私の脳裏に浮かんでいた台詞、それは

それでもいい。アナは城で、わたしは森で暮らそう。会いにいくよ。魔法の馬に乗って…

って、なんで突然のもののけ姫!?
というわけで(どんなわけだ)、世界中でも日本でも特大ヒット、「アナと雪の女王」続編でございます。監督は1作目と同じくクリス・バックジェニファー・リー

日々薄れゆく記憶を必死で掘り下げてみるに、私多分アナ雪の1作目を見るまでほとんどディズニーならびにピクサーのアニメーションを見てこなかったんじゃないかと思うんですよ。いやめっちゃ幼少期にはそれなりに見たと思いますけど、長じて自らっていうのは記憶にない。劇場で見てないってだけじゃなくてビデオとかでも見てない。

そんな私でも(だからこそ、かも)アナ雪ってやっぱすごいセンセーショナルだったし、それはなんでかって言ったらもちろん一も二もなくあの楽曲の力っていうのがあるんだけど、もうひとつ、典型的な物語の構図をぶっ飛ばしたっていうのが絶対ある。あの「愛する人とのキス」までの展開とそこからのハンスの手のひら返し、そのあとのクライマックスに至る文字通り「どうなるか読めない」ドラマの連打!

続編で、あの大団円からじゃあ次の物語をどう描くのかっていうときに、なるほどこっちにきたのね!って思ったんですよね。で、こういう世界、つまり自然との調和、押し寄せる文明、対立、スピリチュアルな立ち位置の女性(少女)って…見たことある!ってなったんですよ。こういう道具立て、見たことある。それで思わず頭の中がもののけ姫になってしまったのかもしれない。

物語としての新鮮味としては断然1作目の方に私は軍配があがるんですけど、劇中で大ヒットした1作目をちょいちょいいじる姿勢があったり、中盤に突然放り込まれるクリストフひとりボラプ状態に腹筋ひきつるほど笑ったり(これ周りのお子さまが笑ってないので息を殺して笑うのが苦しかった…)あとオラフが果たす役割が笑いの面でもドラマの面でも完ぺきすぎて唸りました。実際私の見てた回、あのシーンでお子さまがオラフ~!つって大号泣してママに連れ出されてたましたからね。しっかり身に来た人にお土産を渡せる作りにしててさすがだな~と思いました。

エルサはエルサとしてこの「第2部」があったことで文字通り「ありのままで」生きることになるし、どんなときでも「今やらなければならないこと」から目を背けないアナが新しい女王となるっていう結末も、落ち着くところに落ち着いた感がありますね。楽曲はメインであるInto the Unknownがやっぱり印象に残りますが、むちゃくちゃドラマチックに歌い上げるお松もすごいし、あの難曲をすらっと歌っているように聴かせるイディナ・メンゼルもすごい。

そうそう、前作の氷の城築城シーンのような魔法と映像そして音楽が三位一体となって陶然とするしかない!ってシーンもすごかったですけど、今回も氷と、さらに水の表現がすごく豊かで、アニメーションであることを一瞬忘れるほどでした。しかしあの波頭が馬を形作るシークエンス、LotRのシーンを思わず思い浮かべてしまい、いやはや指輪の幽鬼の病膏肓だな!と思いました(笑)