「チャーリーズ・エンジェル」

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何を隠そうテレビシリーズも(再放送だったかもしれないけど)好きで見ていた世代です…チャーリーズ・エンジェルと特攻野郎Aチームとナイトライダーが私の海外ドラマ原点かもしんない。ザ・時代。チャーリーズ・エンジェルは以前キャメロン・ディアスドリュー・バリモアルーシー・リューでも映画化されましたね。今回の監督はエリザベス・バンクス。出演もされてます!

昨今の新型コロナウイルスを巡る「諸般の事情」に私も例外なく叩き込まれており、すでに中止となった芝居のチケットが4枚、この先1か月の間の現時点で先行き不透明なものが6枚あり、かつ映画も新作映画の封切りが大作であればあるほど(映画館が混雑するから)見送られていて、普段水面から口だけ出してエンタメの空気をぱくぱく吸っているような身からすると切実に自分を取り巻く空気が薄い、そういう毎日を過ごしております。映画館のリスクは寛容なものからそうでないものまでいろいろありますが、満員札止めというわけでもないかぎり(前後左右に人がいないようであれば)まあいいんじゃないか…というのと、もうとにかく何も考えなくても飲むように物語とエンタメ要素が摂取できるやつ一丁お願いします!な気持ちだったので、わりと観た方の評判がよさげだったこの作品を選びました。

そういう気分で臨んだので、最初のショットから最後のショットまで一分の隙なくキラッキラに輝いたクリステン・スチュアートの問答無用夢女子量産みたいな姿とか、エラ・バリンスカの等身どうなってんスか!?!?みたいなスタイルとかっこよさ、ナオミ・スコットの決してドジっ子ではない(大事)キュートさを鼻からいっぱい吸い込むことができて大変満足しました。いやまじでサビーナが同じ高校にいたらバレンタインにトラック2台ぶんくらいのチョコレートもらうだろうしわたしもあげてる。クリステン・スチュアートの最高の姿をフィルムに残したという点でもうこの映画にはじゅうぶん価値がありますよ(ぐるぐる目)。

物語の展開としてはクライマックスに行くにつれ詰めが甘いというか、最後の対決に向けての緊迫感が保てていないのがちょっとなーというところ。緊迫感のある中であのふたりのダンスがあったらあそこはさらに最高の場面になるところだった。最初にサビーナにこっぴどくやられる「横領犯」の処遇もすっきりしない。カリスト自体のパワーも、一度マックス発動させたら二度と使えないって設定もうまく活きてなかったなと思う。

絶対的に信頼できるボスレーにパトリック・スチュワートをキャスティングしているので、そこのどんでん返しをもっと鮮やかに決めてもらいたかったなという気はしつつも、初の女性ボスレーを配して「彼女が裏切ったのかも」と対比させるのは面白かった。最後に「エンジェル」たちの特訓のシーンが流れるのが昔の妄想が具現化した!みたいな気持ちでアガったなあ。オープニングといい、監督がこの映画で何を見せるつもりか、って意思が現れた部分ですよね。

私はこういう、「決してウェットなものではない強固な信頼関係に基づいたチームもの」に目がないので、こうしたリブートであってもこのフォーマットが活かされるのは嬉しいし、それこそ男性版エンジェルがあってもいい時代じゃないですか。でもって女性版Aチームがあってもいい時代じゃないですか。そういう作品が気楽にぽこぽこ生み出されるようになるといいなと思っております。