「ショウ・マスト・ゴー・オン」 東京サンシャインボーイズ

「彦馬」はチケットをとらなかった私も二度同じ過ちはしない。今度はしっかり予約しました。しかも作品が「12人の優しい日本人」とならぶ当劇団の代表作。久しぶりに期待に胸ふくらませて劇場に行きました。そして今回も!期待は裏切られなかった。

ストーリーは、ワンマン座長率いる劇団の公演の舞台裏をほぼリアルタイムで追いかけたもの。その中に劇団内の確執や、とんでもない素人の飛び入りや高崎名物だるま弁当などで上へ下への大騒ぎになるんですが、「ラヂオの時間」と同じく、うわ〜〜〜〜〜〜っと盛り上げておいて一気に締めるカタルシスはさすが。音響がイカれたせいで、その場の全員で戦闘シーンの音を作るところで、笑って笑って、笑っていたはずなのに胸がいっぱいになって涙が溢れた。主役の舞監、西村さんはさすがの好演。それと小道具作りの名人をやった梶原善さんがハジけまくってて、一人で笑いもっていってました。舞台出演中の1時間半ほどのあいだに発泡スチロールで座長の顔を作ってしまっていて、その器用さに驚いたり。相島さんは「ラヂオ」とも「彦馬」とも全然違う役をやっていて、またしてもホンマに同一人物かい!とおもうことしきり。うまいなあ。

しかし三作見てどれもハズレなしっていうのは第三舞台、遊眠社なみの確率。末恐ろしや三谷幸喜

三谷さんの最高傑作の中のひとつだと思うです。西村さんがシンさんをやってくれるならまた再演して欲しいなあ。
2002年6月、この舞台で舞台監督助手の木戸役をやられた伊藤俊人さんがお亡くなりになりました。私の中での伊藤さんのベストアクトはこの「ショウ・マスト・ゴー・オン」です。
言いたいことも書きたいことも山のようにありますが私のキモチはこの舞台の中のセリフに託したいと思います。
「木戸!喜べ!みんなのジプシーが帰ってくる!」