「法王庁の避妊法」  自転車キンクリート

「虎」にかこつけて同時期にSPACE ZEROでやっていたじてキンもいっちゃえ!てなもんで東京2本立て。これがまた2幕モノ。(流行か?もしかして)でも全然退屈しなかったのよねぇ。

ストーリーはあの「オギノ式」を発明した荻野博士が、月経と排卵の関係を突き止めて避妊法を考えてゆくまでの様々なドラマを折り込んでいるんですが、人物記としても歴史としても凄くわかりやすくて、ついでに避妊のメカニズムもおおそうだったのか!と目からウロコの落ちる思いでした。この時代の女性の不妊や子沢山のような問題も、うまく取り入れていて、楽しめた、と同時に勉強になった、という感じ。

佐戸井さんが主役の博士を熱演。凄い声でかい。遊眠社出身はダテじゃないよ。脇も樋渡さん、山下さん、戸川京子さんに歌川&柳橋女史と見事に役柄にマッチしていて、舞台がひとつにまとまってしました。やっぱこうでなくちゃ・・・。しかし「ダイヤルM・・」といい、なぜじてキンの2幕3時間は飽きないのだろう。脚本がいいのか演出がいいのか、それとも役者か、はたまた劇団としてもまとまりがそうさせるのか。不思議なもんです。

これも好評だったようで、再演されましたね。「良質」というコトバがふさわしい素敵な作品でした。「虎」のおまけだったけど「虎」より好きです。