「絢爛とか爛漫とか・モガ版」  自転車キンクリートSTORE

 初演を姉が東京まで見に行って、絶賛していたお芝居。今回はモガ版とモボ版があってまずはモガ版。登場人物は4人で、全員が物書き志望。物書きになりたいという情熱は人一倍あるがなかなか己の才能を信じ切れない主人公を歌川さんが、特に物書きにこだわらない天才肌を柳岡さんが、己の持つ世界を着実に表現するマイペースな作家を池田さんが、いかにもモガ!という感じ、批評家志望のお嬢様を柳橋さんが演じておりました。

長年コンビを組んでいるじてキンの皆様だけあってコンビネーションは抜群、安定感のあるお芝居でした。話の方は、うん、何かになりたい、何かを目指したいと思っている人には等しく感じるものがある芝居なんじゃないかと思います。自分が悪魔にタマシイを売ってでも欲しいと思っているものをあっさり手に入れ、あまつさえそれに執着しない人間がすぐ近くにいるっていうのはキツイよな・・・・

だけどまあこういう風に芝居としてみるとぐちゃぐちゃ悩む前におのれも動けよ!と思ってしまうのも事実。特に歌川さんは何となく怒っているシーンがヒステリックに感じられてしまうので余計でした。昭和の初めという時代に、女性が物書きを目指すということのシビアさをうまく生かした真摯な芝居になっていたと思います。

天才肌の役を演じた柳岡さんの飄々ぶりが印象的。