「二万七千光年の旅」  RUP

行く前に、なんだかもう相当な噂を聞いていたので、安易にチケットを取った私がやっぱり馬鹿だったかしら・・・とか、松澤さん見たさに8400円も払うのっておかしいのかしら?とか思ったりもして、すごいブルーな気持ちで会場入りしていたんですけれども。

まず、ファンのマナーってことで、これは本当にマジかよ?っていう話を聞いていたのね。(あ、見た人のね)まあ喋る・携帯鳴らすのは当たり前、三宅くんが出ないシーンであからさまにトイレに行くとか。まあ1番目が点になったのは携帯を通話状態にして舞台の音を「聞こえるー?」と友人に聞かせていた人が居たという(爆)すごすぎて、笑っちゃったんだけど。だから本気でこれ以上感情を悪化させないために見ない方がいいかも!と思ったんですが、やっぱり松澤さん見たかったのよね、どうしても。で、あたしの席は2列目だったんだけど、そのおかげなのかそれとも本当にマナーが良かったのか、ああもう!と思うところは少なかったですね。覚悟してたって言うのもあるけどね。三宅くんが出てくるところだけワーーー!と歓声と拍手が起こるとか、三宅くんがボケるシーンでは客が前倒しで笑うとか、気になりませんでした。これくらいはあるよなという感じで。あとはあたしの席からは携帯の着メロは聞こえなかったし、のべつまくなしに喋る人もいなかったし、トイレに立つ人も(私の見える範囲で立つと言うことは最前ってことですから)居なかったし、集中できました。でも芝居が始まる前の注意で役者さんが「・・・のようなことがありますと、芝居を中止することもあります」みたいなことを言っててビックリもしたんですけど。

芝居の方は、確かにわからないと言えばわからない(笑)んだけど、でも私にはかなり心地いいわからなさというか。テンポのいいセリフの洪水や言葉遊びや、一瞬にして変わっていく世界というのは、野田ワールドだなぁという感じ。思ったより、ぜんぜん楽しめましたよ。三宅くんと山口さんについて、「頑張っている」という評価が多かったのはすごくわかる気がしました。もの凄く真摯に舞台の世界にはいっているのが感じられましたし。でも、それはそれとしてあまりにも山口さんの声が嗄れすぎていてどうしようかと思った。あれはちょっと頂けないッス。あと、商業な総代(笑)も、迫力あってよかった。唯一の初演メンバー、松澤さんはさすが。なにより、圧倒的にとおるあの声量はすごい。加納さんは、勿論うまいんだけれども、野田さんの戯曲がスタイルと合っていないような違和感が残りましたねぇ。「阿修羅」のときはずっぱまりだったですから、それこそタイプの違いだと思うんですけど。

これはトランスの時も思ったことだけど、「笑い」を取るシーンで何故あんなにも役者を素に戻すのか納得できない。ものすごい楽屋落ちのオンパレードで、おかしいから笑うけど、舞台の世界に戻っていくのがいちいち大変なんだよ。完全にアドリブに任せているだろう?というところもあったりして、アドリブが良くないとはいいませんが、「笑い」って逆に緻密に緻密にネタを詰めていってこそ笑えるモノだと思うんで・・・ちょっとそれは安易過ぎやしませんか?と思ってしまいます。

この公演といえば思い出すのは私が見た回にちょうど「農業少女」ご一行様がどどん!と並んで見ていらっしゃったことだ。ふかっちゃんの可愛さにくらくら〜でした。あと野田さんにダフがチケット売りつけようとしたエピソードとか・・・そんなのばっかりか。
しかしV6ファンの姉によると三宅くんは非常に舞台が好きになったらしく、もう一度出たいと事あるごとに言っているらしいですよ。