「テキサス」   長塚JESUS

もうずーっとずーっと気になっていた阿佐ヶ谷スパイダース、そして長塚圭史。長塚さんはこの間デジャ・ヴュで見てうむ、やはり好みのタイプだということを指さし確認していたので今回の公演はすごく楽しみにしていました。

東京から彼女を連れて田舎に帰ってきたマサル。彼は実は借金取りに追われていて、その借金を返す算段のために田舎に帰ってきたのだが、なぜかそこでは整形が大流行。自分の姉も友人もみんな顔が変わってしまっている。追ってきた借金取りは住みついてしまい、マサルは自分の可愛がっていたニワトリを殺され、リベンジするものの姉とその恋人は自殺。そうしてマサルも街もどんどんおかしくなってしまい・・・というのが物語の大筋。

なんっていうのかもう、破天荒なのかリアルなのかわかんない、ちゃんと物語の筋はわかるんだけどその筋自体がとんでもない。でも一つ一つのエピソードは別に全然ぶっ飛んでないの。姉の死を受け入れきれない、とか、クスリで中毒になってしまう、とか、手抜きの整形手術のせいで顔が崩れていくとか。でもそれが重なるからなのかなぁ、全体通すとものすごく歪んだ世界に感じられる。そのゆがみが終盤戻っていくさまも逆に見事なんですけどね。クスリの中毒がひどくなってしまった彼女がみどりの草を食べて「天丼みたいだよ、これ」とか凄いイイ台詞だと思った。あとは四ツ星さんの「まだ子供の名前決めてないから・・」ですねぇ。これはちょっと危うく泣きそうでした。

年末のハイレグの年越しで拝見しただけなんだけど、あの時全裸でSMAP踊っていた人達とはとても思えない真面目な役者っぷりもすごい。そしてみんなうまい!岸くんとか、最初のシーンどうしたのこのうまさ!って感じでした。女優さんもよかった〜!中坪さんも小林さんもキレイだしかわいいし。中坪さんの沼田とのシーンはよかった。それまで壮絶な濃い世界が展開していただけにあのシーンの透明さが印象的でした。新井さんも、もーものすごくよかった。あのアコーディオン切なすぎ。ラップは逆に面白すぎ(笑)。

阿佐ヶ谷スパーダースのお三方も勿論出てらっしゃって、伊達さんも中山さんも初見だったんですけど、中山さんのあのキャラクター、凄かったなぁ。ちょっとしたことでキレちゃうとことか、最初出てきたときは一番危ないキャラだった四ツ星さんがどんどん一番まともな人に見えてくるっていうのもうまいなあと思ったし。あの笑いながらキレる中山さんの演技力は脱帽。伊達さんは前述のラップもさることながら(笑)終盤千鶴子を逃がそうと暴れるシーンが秀逸。「靴が・・」っていう小ネタも最後まで効いていてよかった。

で、長塚さん。ほんっとにちょっとしか出てないんですよ。だけどね・・・なんなのか、あの格好良さぶりは。もう目に焼き付いて離れませんよマジに。背え高いし。声イイし。そして「『スマートさ』ってやつも遺伝するんですかい!」と言いたくなるあの何ともいえないスマートさ。品の良さ。はいノックアウト。って感じですよ。やられたよ。「四ツ星おまえ血ぃ流しすぎ!」そんな極道な台詞でさえ格好良く見えてしまうわ・・・。しかも大阪は総代が出てましたからね。これでヴァンプ直後の格好いいモード全開な総代が出た日にゃあ。カーテンコールでお二人並んだときゴージャスさにくらくらしたぞ。

ま、阿佐ヶ谷スパイダースの次回公演はもうマストで行く!ってことで(笑)